第948回
人民元の兌換と香港市場の株価
香港証券取引所では
金融当局による人民元決済システムの整備がととのい次第、
人民元建て債券の取引を開始したい、
また、早ければ今年6月にも
人民元先物の取り扱いを開始したいと発表しました。
人民元が取引されるようになれば
国際的な取引所として世界に認知されます。
その先にあるものは人民元の兌換です。
人民元は現在バスケット制の取引で行われていますが、
人民元が兌換されれば
中国本土のA株市場にも投資ができるように
いずれはなっていくでしょう。
そうなるにはまだまだ先の話ですが。
現在香港H株企業で、
香港市場と中国本土A株市場に同時上場している企業がありますが、
中国本土A株市場の株価は香港市場に対して
江蘇高速道路(コード:0177)などは1.08倍程度に縮まっています。
逆に南京熊猫電子(コード:0553)は3.1倍程度と
A株のほうが高くなっています。
そのような企業の株価は人民元の兌換が行われれば、
A株の株価にサヤ寄せされて値上がりしていくでしょうから、
長期的に見れば
数年後先に株価も大きく上がっていく企業もあります。
ですが、今すぐに株価が上がっていくというわけではありません。
あくまでも長期投資で行ったなら
このようなメリットが投資家に与えられるということです。
短期の投資で株価がすぐに上がっていくというわけではありません。
株価のサヤ寄せだけで投資をしようとしたなら
まず失敗するでしょう。
短期投資でしたら株価の値上がりだけが目的ですから
そこまで考えて投資することはありません。
ですが、長期投資で考えたなら
人民元の兌換で株価の価格差を見ていく必要がありますが、
価格差だけを標準に考えて投資を行うのでしたなら
あまり意味はありません。
企業の業績が伸びていくとともに株価も上がり、
配当利回りでも上がっていく企業でないと
投資できる企業の対象にはなりません。
その先に人民元の兌換、元高メリット、
株価でもサヤ寄せされ値上がりしていくことにより
大きく資産が増えていくという投資の仕方ができれば
資産を増やしていける投資ができます。
短期投資と長期投資では
利益を出していくための投資の方法でも
全く違った投資の仕方になっていきます。
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