第939回
タイ株の暴落から
2006年12月19日にはタイ株が暴落しました。
タイの中央銀行が、海外資金の流入に対して規制を強化したことで
タイ証券取引所はSET指数(全銘柄を対象とする株価指数)が
一時18%下げ、前日比では14.84%暴落して引けていました。
投資家の記憶に残っているのが
1997年にタイから始まったアジア金融危機です。
1997年以前のタイの経済は大きく成長し
海外からの投資がタイに入ってきたために、
経済全体が膨らんでいきました。
ですが、ただ膨らんだだけでいただけですから
実体経済とは伴なわずバブルが発生していました。
これに目をつけたのが
ジョージ・ソロスを筆頭にしたヘッジファンドの巨額の投機資金で
ヘッジファンドはタイの通貨を空売りしました。
タイはこれに対抗して通貨の買い支えましたが、
たった1週間程度でタイの運用資金はなくなり
タイの通貨は暴落しました。
ヘッジファンドはその後もアジア各国の通貨を売りまくり
インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピンと狙われました。
香港も影響を受けていましたが
ほかの国よりは比較的に打撃は少なくて済んでいます。
ですが、株式市場ではこの影響を受けて
ハンセン指数もその後大きく下げていきました。
今回、タイ中央銀行は海外資金によるバーツ投機を懸念し
外国為替の管理規制を打ち出しました。
規制内容では各銀行は2万米ドル以上の海外からの資金につき
無利息30%を1年間にわたり
中央銀行に預託するように通達しました。
ですが、タイ証券取引所はSET指数が大幅に下げたことで、
タイ政府は株式投資に対しては外国為替の管理規制をはずしました。
タイ証券取引所からアジア金融危機が始まる可能性があるとして
一瞬市場では緊張感が走りました。
今回はタイ政府が1997年のことを念頭に
いち早く対策をとってきました。
株式市場の株価は企業の業績だけで動いてはいません。
投資資金が国際や債権、他の商品に向かっているときは株式市場に
お金は回ってきませんので下がります。
海外からの投資資金が入ってくれば値上がりしていきます。
また、鳥インフルエンザやSARS(新型肺炎)などが
経済に影響を与えるとなると企業も影響を受け、
収益が下がっていく業種もでてきます。
株価も将来の収益から判断しても
予想できないほど上昇していきます。
ですが、割高感がでてくれば
今度は信じられないほど株価は下がっていきます。
2006年の中国株価指数は1年の間に大きく値上がりしました。
H株指数は1月の6000ポイント前後から
12月末には10000ポイントを超えています。
指数が高くあげてきたことで
今後は一時調整する可能性があるでしょう。
中国企業では業績でも今後伸びていきます。
2007年は株価指数でも上げていく可能性が大きいでしょう。
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