第926回
寿命
投資に対しての考え方も年齢によって違ってきます。
最初は自分の家庭のための投資、資金ができたなら
資産を増やして
将来いかに快適に過ごせるかへの投資です。
うまく投資ができたなら
最後は資産を使っていくことで自分に還元して
投資の締めくくりとなります。
自分にも還元しながら社会にも還元して使っていくこともできます。
お金があるということは
お金で解決できることは心配しないで済むということです。
お金がないということは
明日のお米代がなかったなら
毎日の生活費をどうしていったらいいのか考えなくてはいけません。
このような心配はお金で解決できますので避けることができます。
では、人間は誰だって死ぬのだから
お金で人の命は買えないだろうといわれれば全くそのとおりです。
また財産がいくらあろうが
当人が死んでしまっては使えませんので死に金にもなります。
ですが、人間死ぬときになってはじめて
その人の本性がよく分かるときもあります。
株式投資を行っていたかいなかったかというよりも
人生の締めくくりとして印象に残った方が先日なくなりました。
(第916回の記事)
懇意にしていただいた方で
青春時代は企業戦士として営業関連に従事していた方で、
60歳前後には一線を退いて昼は営業の仕事をしながら、
夜はシャンソンのお店を経営していました。
お金儲けというよりも
シャンソン仲間の交流会の会場のようなお店でした。
ご一緒にパリにいった時
その方はパリの古くからあるお店との交流もあり、
私自身もご一緒させていただいていました。
日本のシャンソン関連の方とも恩恵が深かった方ですが。
その方が自分がこの世で過ごせる時間が少なくなったと
肌で感じるようになってからは
友達同士の横のつながりを大事にしてきて来ました。
「自分は死んでいくけれどもお互い楽しく後の人生を楽しんでね」
というメッセージが含まれています。
現実的には買える物と買えないものがありますが、
そのような方というのは
その方が亡くなったとしても
その後の人の心には焼きついています。
お金では買えないものを残してくれたのがその方です。
葬祭場では
当人が好きだったシャンソンの曲が流れる中での見送りでしたが、
粋な最後のお別れとなりました。
中国株に投資をして60歳を過ぎたなら
今度は利益を自分たちの人生の中で
いかに使っていくことができるかも気にしたほうが
充実した人生を送ることができるでしょう。
|