第911回
人気投票ではない
かつての日本もそうでしたが、
一国が利益を全部抱え込むのには限界があります。
お金は世界を回って始めて釣り合いが取れます。
中国は世界からのお金を貯めてきたために
長期的に中国の通貨の元は
値上がりしていくことは間違いないでしょう。
中国は、日本が急激に円高になったとき多くの企業が
業績でも落ち込んだことがあったような国策は
していきたいとは思っていませんから、
元を急激に上げていくことはないでしょう。
ですが、長期的には上げていかざるをえない国です。
投資する企業でも輸出関連分野の銘柄にとって
元高はマイナスとなります。
香港市場ではハンセン指数が新高値を更新していることで
株価に対して高値警戒感が出てきています。
特にハンセン銘柄などは
一時調整して下がる場面が出てくる可能性もあります。
では、そのほかの銘柄の株価が
高値を更新していっているかといえば
そうとはいえません。
むしろ安値を更新している企業もあります。
株価を下げている銘柄の業績はどうかといえば、
収益がでていない企業もあります。
逆に業績が順調に伸びている企業でも株価が低迷していたり、
年初来の最安値を更新している企業もあります。
また、株価でも大きくは値上がりしていないものの
大きく株価を上げていない企業が多くあります。
特に株価が下げているときほど
投資妙味がでてくる時期はありません。
株価指数でも上げている、
下げているということを重視するのではなくて、
投資できる企業の株価が下げていたなら、
絶好の購入時期と考えていいでしょう。
もともと株価指数が投資した企業の株価とともに
値上がりしていくと考えているほうがおかしな話です。
ひとつの企業が業績で伸びていける業績と
株価指数の伸び率とは関係がない話です。
投資した企業の業種が投資家の人気がある企業なら
株価は大きく上がっていくでしょうが、
高値警感からその後値下りしていく可能性が大きいでしょう。
企業の業績は人気投票ではありません。
そのときは一時株価が上がったとしても
業績が伴なわないとその後株価は下げていくでしょう。
かえって人気があったときが
株価でも高値掴みになる可能性があります。
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