第902回
世紀陽光生態科技のIRから(その一)
福建省を拠点とする有機肥料最大手企業である
世紀陽光生態科技(センチュリー・サンシャイン・エコロジカル・
テクノロジー、コード:8276)がIRで来日した際に
話を伺っています。
世紀陽光からは副社長である沈氏と
関蔭雄・董事(取締役)が来日していました。
関氏は20年前に日本の北海道大学で
金融関連の勉強をしていたとのことで日本語は堪能です。
世紀陽光は1998年に設立し、
2004年2月に香港の新興企業市場(GEM)に上場しました。
現在は福建省内2カ所と江西省南昌市に工場を持っており、
現在の年産能力は2000年の年間2万5000トンから15万5000トンへ
拡大しています。
現在は福建省南部の雲霄県に
新工場(40万トン規模)を建設しており
2008年にはフル稼働する見込みです。
2008年には55万5000トンにまで拡大していきます。
2005年12月期の売上高は前年比で103%増の1億9100万人民元となり、
純利益も101%増の7137万人民元と伸びていました。
*中国肥料市場から
・中国の農業利用可能な土地の総面積:約1億5000ヘクタール
世界全体の約7%
・中国が肥料に使う年間使用量:約1億5000トン
世界全体の約33%
・肥料の年間経済価値
約4000億人民元
・有機肥料の市場シェアー:450万トン
約3%
・有機肥料生産者数
約300社
・1生産者あたりの平均年産能力
約1万5000トン
・先進諸国の有機肥料の市場シェアー
30%以上*有機肥料と化学肥料のコスト比較、他
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向上出荷価格 |
年間消費量 |
年間コスト |
化学肥料 |
1800人民元/ムー |
100kg/ムー |
180人民元/
ムー |
有機肥料 |
1200人民元/ムー |
150kg/ムー |
180人民元/
ムー |
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*1ムーは667平方メートルに相当
・有機肥料使用量の優位性
・有機肥料の使用による農家の生産コストの上昇や
施肥習慣の変化はない。
・有機肥料は農作物の質の向上に役立つ。
これが販売価格の上昇につながる。
・有機肥料は植物が生まれながらに持つバクテリアや昆虫の影響から
自己を防衛するメカニズムの強化に役に立つ。
これが農薬の使用量削減と生産コストの低下につながっていく。
・有機肥料は土壌構造の向上につながっていく。
最終的には化学物質残留物や重金属成分の分解に役に立つ。
なお、3年間連続使用しないと有機認証の承認はおりない。
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