| 第891回中国工商銀行
 2006年10月27日に中国で最大の商業銀行である中国工商銀行(コード:1398)が上場しました。
 上海A株市場と香港市場での売り出し価格では
 公開価格の価格レンジで上限である3.12元に決定しました。
 香港市場でのH株の売出株数では353億9100万株、
 A株には130億株を売り出しています。
 初値は香港メインボードには3.60香港ドルとなり
 公開価格の3.07香港ドルを17.3%上回った数字で寄り付きました。
 その後株価でも下がり終値では3.520香港ドルで引けていました。上海A株市場の初値は3.40元となっていました。
 中国工商銀行は中国で最大の商業銀行で北京を拠点に個人向けや法人向けの銀行業務を展開しています。
 2005年末時点の総資産は6兆4600億元、
 貸出残高は3兆2900億元、預金残高は5兆7400億元と
 いずれも中国では最大です。
 2006年6月末時点での子会社および支店数では中国国内で1万8038カ所、海外98カ所となっています。
 中国工商銀行がIPOで調達した金額は148億5603香港ドルとなり日本円に換算しますと約2兆2300億円となりました。
 この金額は
 日本のNTTドコモが1998年に集めた184億ドルを抜いており、
 今までの株式IPOでは史上最高額となりました。
 今回の上場で得た資金は資本の増強と事業の拡大に当てていきます。
 2005年決算での売上高は1716億2000万人民元となっており、純利益は375億5500万人民元でした。
 2006年12月本決算での純利益の見通しでは
 472億元以上となっていますので増収増益が期待できます。
 長期投資で挑むのでしたら株価でも大きく値上がりしない限りは購入していくことも検討ができます。
 長期投資というのは10年前後で投資をしていくということです。長期で中国工商銀行を考えたなら
 投資が検討できる企業に入っていく可能性が大きい企業です。
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