| 第890回電力企業の業績
 電力企業の業績は2006年下半期に入り収益が回復してきています。 浙江省で電力大手企業である浙江東南発電(コード:900949)は1〜9月期決算で売上高が
 前年同期比で13.1%増、純利益が23.6%増となっています。
 1〜9月期のEPSは0.280元です。
 7月には蕭山発電厰の卸電力を
 1kWh当たり0.4038元から0.4133元に、
 他の発電所も電力卸売価格を引き上げています。
 7〜9月期のEPSは0.116元と大きく純利益は伸びてきています。
 広東省の発電容量全体の10.7%を占めている広東電力発展(コード:200539)は
 1〜9月期決算で売上高が
 前年同期比で6.0%増、純利益が4.8%増となっています。
 広東電力発展は4月に超康投資有限公司と共同で風力発電の新会社を設立すると発表しています。
 新会社は49.3メガワット(MW)の風力発電設備となる予定です。
 7月には「他の電力企業同様」、電力卸売価格を引き上げています。
 EPSでも1〜9月期では0.236元でしたが、7〜9月期だけを見てみますと
 0.10元と大きく伸びています。
 中国の電力最大手企業である華能国際電力(コード:0902)は1〜9月決算で売上高が
 前年同期比で8.0%増、純利益が13.3%増となっていました。
 7〜9月期では売上高が前年同期比で12.9%増の115億8900万元、純利益が同2.7%増の14億6800万元となっています。
 2006年に入り新ユニットの営業運転開始や発電所権益を買収したことで発電容量が拡大してきました。
 また、石炭価格に連動した電力値上げを行ったために
 純利益も伸びてきました。
 2005年は原材料の石炭の値上がりで売上高が33.3%増だったのに対して
 純利益は1.2%増と微増にとどまっていました。
 電力企業は原材料の石炭が値上がりしてきたことでこの2年間収益が伸びない、
 あるいは減益になる企業が多く出てきました。
 電力事業が伸びる中、石炭連動型の電力価格を導入したことと、電力卸売価格の値上げが行われたことで、
 電力会社はコストに対して
 上昇分の一部を相殺できるようになっています。
 売上高増とともに純利益が出る体制になってきました。 |