第883回
価値観を見定めることはなかなかできない
時代の変化に伴ない物の価値観は代わってきます。
一時期は絶対値下りしないといわれていた土地神話がありました。
その時代は日本の経済の発展とともに所得の向上が伴ない
働けばその分裕福になれるという実感が伴なってきた時代でした。
その当時はアメリカに追いつけ、追い越せの時代で
日本の企業も目標を立てて一生懸命にがんばってきた時代です。
そして、日本は裕福になってきました。
現実にはなかなか実感として感じられないと思いますが、
海外の未開発地域からすれば
日本国民は非常に裕福に暮らしている民族です。
日本が発展してきたうえで
経済ではこれからも大きく伸びていける国になったかといえば
そうとは言えなくなってきました。
伸び率が鈍化していくのが先進国の経済の特徴です。
今度は今まで伸びてこなかった国が
成長していく番になってきました。
それが、BRICsを含めた各国です。
日本は製品を安く組み立てることができる国に投資をしていったり、
発展途上国が成長してきたなら、
今度はそのような国に製品を販売して
利益を上げていく段階になってきたのです。
そのような国と付き合っていくうえで
今度は通貨の問題が出てきます。
成長していく国の通貨は強くなっていきます。
いま強い日本の通貨を投資して、
為替でも利益を出していけるのが日本の通貨です。
日本は戦前1銭のお金で物が購入できた時代がありました。
ですが、お金の価値観は時代の流れとともに変わってきました。
100円長者ではいられなかったのが証明しています。
本来はその時代に戦後土地価格が上昇していった東京都内、
または他の地区の土地でもそうですが
購入できたなら今では数十億円以上にまで
資産が膨らんでいたでしょうが、
ではその土地を今まで持っていることができたかどうかといえば
話は違ってきます。
戦前に目利きが利いて土地を購入したとしても
購入した親自身が生きているとは限らない年代です。
土地を維持しようとしても
税金だけでも年間数千万円がかかってきたでしょうから
切り売りをしていくようになるでしょう。
また、相続税だけで数十億円もかかるのですから
よほどお金を貯めていなければ税金さえも支払うことができません。
その子供か本人が戦後売却したなら大金が入ってきたでしょうが。
もし、親からの遺産で土地を確保しようとしたのなら
事業で成功して税金を支払っていく方法はありませんでした。
そのような人がいないとはいいませんが、
多くの人は売却を余儀なくされたでしょう。
時代の流れによって価値観が変わっていきます。
次の時代には何に対して価値観がでてくるかを見ていけば、
どれに投資したらいいのか、
今後同対処していったらいいのかが分かってきます。
今現在の価値観だけに捕らわれているのではなくて、
先々何が伸びていくかが見えてきて始めて
次に投資していけるものが見えてきます。
このような判断で物事が見えていかない限り、
特に自己中心的に物を見ている人にとっては
目の前に自分の立場を危うくすることがでてきたら
排除することだけに神経を使います。
これでは正しい判断はできるわけがありません。
例えば通貨の話にしても
このような流れの中でいかに変わってきたのかを
教えてくれる人は少ないでしょう。
このような時代の流れの中で
お金の価値観が違ってきているということを
適切に教えてくれる人がいたなら
その人の意見が一番役に立ちます。
中国株式投資に対しても正しい投資の仕方、
世界経済の流れを教えてくれる可能性が大きいでしょう。
ですが、周りの人を見ても
人生の価値観に対しての考え方は身近に聞くことができますが、
投資に関しては
なかなかそのような人が周りにいないことに気がつくはずです。
周りのそのような人がいたなら
ひとつの意見として真摯に受け止めて聞くことができます。
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