第882回
お金の価値観は時代によって変わってくる
世の中の流れを見ていっても、
その流れをよくみて適正な判断ができる人の話は
聞くことができます。
一方で世の中の流れを見たとしても、
その流れを自分にあわせて自分の損得だけを見ていく人は
欲得が先にたちますので、正しい判断ができなくなります。
特に株式投資が危険だと思っている親が、
自分の子供が株式投資を行いたいといったなら反対するでしょう。
自分が反対なのだから
何とか相手を説得しようという気持ちが先にたちます。
損を出したなら
子供が貯めたお金を減らすことだけが心配になります。
また、反対できる理由はいっぱいあります。
預金だったなら元本割れする可能性はほとんどありません。
ですが、株式投資では
投資した企業の業績が良くなければ株価は下がります。
投資した企業が倒産したのなら元金もゼロになってしまいます。
だから株式投資はやるなという意見を言うことができます。
これは株式投資を行っていく上で当たっている面があります。
ですが、本来は株式投資で得られるメリットのほうも説明しないと
相手に正しい投資の仕方を伝えたことにはなりません。
戦後1円というお金は1円玉ではなくて紙幣でした。
戦前は1円というお金があれば大金でした。
なんといっても1円以下の貨幣で
一銭というお金が通じていた時代です。
お金の価値観の流れを見ても時代によって大きく違ってきました。
給料でも1950年代は100円程度でした。
その後、物価は上昇し、
1960年には大卒の給料でも1万円を超えてきた時代です。
今では1960年の10倍の10万円で雇うといっても
誰も就職などしないでしょう。
それも当然です。
ちょっと高いマンションを借りたなら10万円くらいはします。
家賃を支払ったなら残るお金は1円もありません。
これでは食ってはいけませんので、最低でも15万円以上、
できれば20万円以上手取りでほしいところです。
これで何とか食っていくことができます。
最も家賃が安い、払わなくて済む自宅から通勤するのであれば
その分は使うなり貯蓄ができます。
明治時代は1円あれば大金で、
100円あれば一生食っていけるといわれた時代がありました。
100円長者です。
そのために一生懸命に貯めていた人たちが大勢いました。
将来は預金したお金の利子で安穏とした生活が送れるはずでした。
もし、明治時代の親が
子供のためにと思って100円という大金を預金していたなら
今頃は利子もついて優雅な生活を送っていてもいいはずです。
「100円長者」なのですから。
ですが、これは過去の時代と同じ価値の通貨だったならの話です。
ですが、現実はそうはいきませんでした。
100円が千倍になっていたとしても10万円です。
たとえ1万倍の100万円になっていたとしても100万円です。
一生暮らしていけるどころか、
月に20万円使ったとしたなら5ヶ月しか持たない金額です。
では土地に100円を投資していたならどうでしょうか。
100万円で青山のような一等地の土地を購入していたなら
今では10億円か、
場所によっては100億円以上になっていたはずです。
お金の価値観は時代とともに変化していきます。
お金の価値は時代によってそれなりの価値観があります。
時代の流れとともに価値が代わっていくものであるということを
子供に言った時に始めて正しい意見を言うことができます。
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