第872回
先々伸びていける業種に投資を考える
日本は第二次世界大戦後経済が大きく成長してきました。
中国では全体は成長しているとはいえ、
国土が広い分すぐに経済でも伸びていくというよりは
スローテンポで伸びていくような国です。
現在は中国の沿岸部分の都市や一部の省は
大きく成長してきていますが、
全体に豊かになっていくまではまだまだ時間と年数がかかります。
中国の国民が豊かになっていくまでに年数がかかるということは
そこまでは中国自体の経済が伸びていく年数です。
そこまでは中国の企業に基本的に投資していくことができます。
では、全部の中国の企業に投資ができるかといえば
そんなことはありません。
国が成長していくときには先に伸びていく業種と、
ある程度他の業種が伸びた後、それから伸びていく業種もあります。
全部の業種がいっぺんに伸びていくことはありません。
ですので、まずはこれから伸びていける業種に投資しておき、
その業種が伸びていけないようになったなら
今度は伸びていける業種に
投資していくようにしていかなければいけません。
業種でいえば中国では家電や繊維などは
今後大きく伸びていくことは難しいでしょう。
中には伸びていく企業もありますので、
そのような企業を捜して投資していくことはできますが。
今の時点でしたら、
インフラ関連の業種や不動産などの企業が
しばらくは伸びていく段階です。
業種で電力企業は大きく伸びていかないということもいわれますが、
長期で考えれば伸びていく業種です。
原材料価格が高騰してきたために業績が伸びても
今は利益は伸びてはいってはいませんが。
配当利回りで見ればH株企業の華能国際電力が4.4%前後、
大唐国際発電が3.8%前後、
上海B株企業で浙江東南発電が高くて5.80%前後、
深センB株の広東電力が4.60%前後となっています。
業績が50%以上と大きく伸びていく可能性は少ないセクターですが、
収益の回復とともに配当金も上がっていくでしょう。
また、業種でガス企業などは
業績では大きく伸びていく可能性が大きいのですが、
配当金は利益に対して多くは出していません。
なぜかといえば、ガス企業は現在シェアーを拡大していくことが
将来大きく業績を伸ばしていくためにつながります。
ですので、配当金を多く出していくよりは
いかに市場でシェアーを拡大していくかが大事な時期です。
私自身は配当金を多く出してもらうよりは、
今は市場拡大を行っていき、
最終的にガスの市場シェアーを確保した時点から
配当金のほうに回していけばいいと、考えています。
いま現在の配当金の高さも魅力ですが、
将来受け取れる配当金を
手に入れるためにも伸びていける業種への投資が
一番大事な時期です。
まずは種まきを行っている段階でもあります。
このようなことは短期投資ではなかなか考えることはできません。
ですが、数年、数十年先の利益を考えて投資していくと、
このような投資方法になります。
時代によって伸びる業種は変化していきます。
その企業が何なのかを考えて一歩先に購入しておくことで、
先々の利益が確保できます。
また、伸びていけなくなったなら、
今度は伸びていける業種に投資資金を動かしていくことで
中国が成長していく限りは
中国株式投資でも利益を出し続けていく事ができます。
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