第869回
不動産バブル懸念に対しての考え方
中国の不動産バブル懸念を中国株投資の面から考えたなら、
マイナス感覚で捉えれば怖いでしょうから、
不動産企業への投資に躊躇します。
やめておこうかという考えに向かっていくようにもなるでしょう。
では現実はどうでしょうか。
中国政府も不動産バブル懸念に対して
今までもいろいろな対策を打ってきましたが、
なかなか効果が出てこなかったのも事実です。
今年後半の中国政府の対抗策として2006年7月には
「不動産市場の外資参入に関する管理意見」を発表し、
外資による不動産投資を規制しました。
意見書では外資系企業の国内不動産市場への参入条件を厳しくする、
外資系企業による不動産開発への管理を強化し監督を行うことで
不動産市場の健全な発展を目指しています。
8月に入り、不動産投資抑制策として、
預金金利の引き上げが効果があるのではないか
という意見が出てきました。
また、9月1日付で不動産市場に関する外貨管理規定を発表し
国内不動産市場への投資規制を行っています。
9月に入って、土地譲渡にかかる税金や
費用の納付基準の大幅引き上げを発表しました。
9月12日にはマクロ調整策の結果、
都市部固定資産投資が
前年同期で1〜’月の伸び率が30.5%だったのに対し
1〜8月は29.1%増にまでに下がったことで、
引き締め策の効果が現れたとしています。
依然伸び率は高いですが、
今後も注視しながら対抗策を打っていくでしょう。
中国では経済でも過去には
農業や林業、漁業などの第一次産業が主流でした。
ですが、経済が発展していくに従い
主流が鉱業や建設業、製造業の工業分野などの
第二次産業のほうに流れが変わってきています。
また、電気、ガス、金融、保険業、小売業などのサービス産業である
第三次産業も発展してきています。
今後も中国では農業を行う人口が減少していくとともに、
第二次産業、第三次産業が伸びていくでしょう。
かつての日本も第一次産業が主流でした。
ですが、第二次、第三次産業が伸びていくに従い
都会に人口が集中し土地の価格も上昇してきました。
このような現象が今の中国でおきていると考えていいでしょう。
そう考えれば、
中国の不動産バブル懸念に対しても見方が変わってきます。
かつての日本の姿と見比べて、
いま中国ではどこまで不動産市場の環境が進んでいるのか判断して
投資を考えることができます。
ただ中国の不動産バブルの懸念不安におののいているときとは
考え方が違ってきます。
これはマイナス思考ではなくて、
現実を見てどうなっていくのであろうかを判断した結果です。
人間には過去の現実だけではなくて
これからどうなっていくのであろうかという
未来を正しく見つめていくことができます。
その両方を検討しながら
投資を行うにしても判断して決めていくことが大事です。
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