第865回
チャイナ・レアアースの2006年6月中間決算から
チャイナ・レアアース(中国稀土控股、コード:0769)は
稀土酸化物製品の耐火材料製品の製造と販売を行っており、
製品ではコンピュータ、磁気メモリーや
携帯電話用電池などのハイテク製品に使用されるレアアース製品
および、高温セラミックなどの耐火製品の生産販売を行っています。
・2006年6月中間決算より
売上高 --- 4億7100万香港ドル 前年同期比 25.4%増
純利益 --- 9500万香港ドル 前年同期比 68.8%増
EPS --- 0.088香港ドル
中間配当 --- 0.01香港ドル
中国では稀土を乱獲堀を行っていたことで
大量の土が失われ保水力が低下したために
環境汚染が深刻になっていました。
このため中国政府は小規模な鉱山の閉鎖を行っています。
また、稀土の市場価格の下落を招いていました。
今回の閉鎖で市場競争が緩和していくとともに
製品需要が増加していくことに対して
適正価格を確保していくことができるようになっています。
このためにレアアース製品は2006年も
販売価格が30%上昇していく可能性が濃厚になってきました。
同社にとっては朗報です。
レアアース(希土類)と、いっても一般にはなじみがない物質です。
レアアース(希土類)と呼ばれている金属元素は、
今から約200年程前の1794年に
フィンランドのJ.Gadolinによって発見されました。
J.Gadolinは採取された鉱物の中からイットリア(Y2O3)を発見し、
その希少性から希な土類(アルミナや石灰等を示す)を
希土類という名前を付けています。
レア・アースとは「Rare Earths=希土類(元素)」のことで、
元素周期律表の原子番号57番ランタン(La)から
71番ルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド*)と
21番スカンジウム(Sc)、39番イットリウム(Y)を含めた
17元素の総称のことをいいます。
希土類の多くは優れた科学的、物理的性質を持っており、
様々な用途に使われています。
特に、コンピュータ、情報通信機器等に用いられる電子材料や
自動車の排気ガス浄化用触媒等の素材として
必要欠くべからざるものとなっており、
21世紀にはIT、地球環境保全、エネルギー等の分野で
ますます重要な素材になっていきます。
現在「レアアース」(希土類)の埋蔵量が
一番多い国は中国です。
中国は全世界の埋蔵量の80%を保有おり、
残りの20%はブラジル、インド、オーストラリアなどに
分散しています。
(希土の種類によって違う)
ですが、中国以外では地中深くに鉱物があるために
採掘していくには多くのコストがかかります。
一方、中国は地表近くに鉱物が存在するために、
低コストでしかも良質のものが採掘できます。
また、高品質のものになればなるだけ付加価値があります。
チャイナ・レアアースは、
レアアース部門では市場の20%を占めています。
また、レアアース17種類全部を手がけているのは
中国では同社だけです。
長期的に見れば伸びていく企業です。
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