| 第862回A/B統合観測から
 9月18日には中国本土B株指数が大きく値上がりしました。 18日の本土市場では上海B株指数が前週の金曜日の終値に対して前日比9.65%高となり
 98.55ポイントとなっていました。
 深センB株指数が先週の金曜日の終値に対して
 8.03%高の314.38ポイントとなっていました。
 大きく値上がりした背景には、
 A/B統合観測がでてきたためでした。
 非流通株改革が順調に進んでいるためにA/B重複上場企業に対して
 B株上場企業の改革案が
 中国証券監督管理委員会(CSRC)に
 提出されたのではないかという憶測がでたためです。
 内容ではA/B重複上場企業に対してB株をA株に転換させる、
 その際にはB株上場企業はA株を発行したうえで
 B株を買い戻す形をとるのではないかということを
 複数メディアが情報として出したために、
 後場B株上場企業の株価が大きく上がっていったものです。
 A/B株統合に関しては2006年1月に大きな情報が出ていました。 A/B株統合に関して2006年1月18日に上海証券取引所の周勤業・執行副社長が
 A株とB株を2006年内に統合させる計画があると発表しました。
 1月18日はこの発表を受けて、
 その後中国本土のB株企業の株価が大きく値上がりしました。
 A株市場とB株市場に同時上場している企業でA株に比べB株のほうの株価が安い企業があります。
 もし統合により双方の株が一緒になれば
 高いほうの株価にサヤ寄せされるでしょう。
 投資家心理としては、まだ安い株価のほうを購入しておけばいいということで、
 B株市場の株価は大きく値を上げたのが1月の時期でした。
 指数でも5月の半ば近辺までは上げてきました。
 ですが、その後具体的な話は中国政府から出てきませんでしたので、
 5月の半ば以降株価指数も下がってきていました。
 そして、今回また新たにA/B株統合の話が出てきたわけです。
 現在はA/B株統合に対して詳しい情報は出てきてはいません。 今回の出来事は非流通株改革が順調に進んでいることに対して中国株式市場でも
 先々A/B株統合が視野に入ってきたということです。
 また、実際にA/B株統合が行われるとしたならB株に投資している海外の投資家はどうなっていくのかなど
 具体的な話が出てこなければA/B株統合は難しいでしょう。
 ですが、上海証券取引所の周勤業・執行副社長が2006年内に統合させる計画があるという話は
 聞き捨てなりませんので、
 ひょっとしたら近々行われる可能性もありかもしれませんが。
 話題だけでも株価は動きます。特に海外の投資家が目を向けていなかった利益が出ていない企業で
 B株市場では株価は安いが、
 A株の株価が高いボロ株企業の株価が値上がりしてきています。
 株価は企業の内容だけではなくて、話題でも大きく上がっていくことが
 ようく分かる例でもあります。
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