第859回
元の木阿弥にしたくなかったなら
投資した金額が100万円なら
それ以上にならないと利益になりません。
もし、投資した企業の収益が伸びていかなくなり、
投資した企業の株価が下がったなら
売却していかなければいけないのは誰でもわかります。
ですが、投資家心理では
なかなかそうはいかない場合が多いでしょう。
なぜかといえば損をしたくがないために
投資した企業に対して
投資家自身が勝手にシナリオを作ることが考えられるからです。
投資した企業は今は株価が下がっているし
今は収益でも伸びていないが、
この先回復していくであろう。
これから必ず株価でも上がっていくに違いない
と思い込もうとします。
ですが、このようなことは投資家の願望であって、
現実には伸びていかない企業だと分かっていても、
何とか損だけはしたくないという気持ちでいっぱいになります。
もうこうなると意地になり
株価でも値上がりしていく、損だけはしたくない
という気持ちが先にたち、
投資した企業の収益の伸びは関係なく
株価だけを上がるまで待ちます。
世界の資金が中国の株式市場に集まってきたり、
投資家心理が上向いて
全体の企業の株価が値上がりしてきたときなどは
投資した企業の株価も買値まで戻っていくときがあります。
80万円まで下げた株価が100万円まで戻ってきます。
本来ならこの時点で売却すればいいのでしょうが、
また欲が出てきます。
購入した企業の買値まで戻ったなら
これからももっと株価が上がっていくのではないのか
という気持ちになり、
売却しないでその企業の株を持ち続けるようになります。
中国株に対しての人気が落ちたり、
投資家の市場人気などが冷めたたなら
100万円分の株価が再度が80万円まで値下がりし
元の木阿弥になります。
こうなったなら、何で株価が元値に戻った時点で売らなかったのか
後悔するでしょう。
他のB企業で80万円の株価の企業が収益でも50%伸びていたなら
単純比較で120万円までB企業の株価は上がっていたでしょう。
そのとき再度ため息をついて
何であの時売ってB企業に乗り換えなかったのかと
後悔するでしょう。
自分の欲を中心に考えていると
投資に対しても自分のいいように解釈したがります。
不安であってもついつい持ち続けていく場合も多いでしょう。
そうなりたくなかったなら、
気づいた時点で損得を考えずに売却する勇気が必要です。
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