第856回
影響を投資の見方に入れる
中国企業の情報に対して
過去の実績は今までの業績の流れですから動かせない事実です。
ではその先業績がどのように変化していくかを予想して、
ズバリ当てていくことはかなか難しいでしょう。
四半期決算や中間決算、期末決算予想を
全部当てていく人がいたなら
その人はもう大金持ちになる事ができます。
ですが、現実には不可能です。
証券会社の業績予想でも身近な四半期決算などは
ある程度予想に近い数字が出せても、
1年先の期末決算を言い当てることはまずできません。
ですので、ひとつの企業に対しての評価も
各証券会社によっても違いますし、
A証券会社では「買い」の判断だったとしても、
B証券会社では「売り」の判断だったりします。
また、業績見通しもしょっちゅう変わります。
投資判断をしている企業が海外の企業と提携したり、
企業を買収する、増資を行う、減資をする、
中国政府のマクロコントロール政策が打ち出されたために
その影響を受けそうだ、など
業績が変動していくような事が出てくるのはしょっちゅうですから、
投資判断でもくるくる変わることがよくあります。
個人投資家はそこまで把握することはできません。
また情報を得たとしても
くるくる変わっていく内容を知ったからといって、
機関投資家のように
多くの企業の株を毎日売買して
生計を立てているわけではありませんから、
かえって情報に惑わされて
どう対処していったらいいのかわからなくなるでしょう。
個人投資家に情報として必要なのは、
投資しようとする企業の業績が
将来伸びていくことができるのか、できないのか。
企業の業績に影響を与えるようなことはどんなことなのか。
影響を受けたとしてもどのくらいの影響で済むのか。
企業によっては大きく影響を受ける可能性があるかも知れません。
逆に影響を受けないで
業績でも拡大していける企業であるかもしれません。
また、そのような影響を受けないがために
他の業種で収益の拡大が見込める企業があるかもしれません。
原油価格が高騰したがために
電力業界は利益が出せなくなっていったのに対して、
石油関連銘柄は原油価格高騰で収益が大きく伸びました。
このように影響を受ける企業と受けない企業、
逆に利益が出せる企業が分かってくると
今度は投資を考える企業も変更になっていく場合があります。
すぐにわかるような身近な情報も大事ですが、
業種に与える影響も加味して考えていくと、
その業種、企業に投資ができるかどうか
再度検討していくことができます。
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