第845回
振華港口機械と中国国際コンテナ
振華港口機械は2006年5月に入り、
イランのIOEC社から
総額で13億元の新規の大型クレーンの受注を締結しました。
また、7月には米国から
大型鋼トラス(世界最大級の耐震吊橋に使用される鋼トラス)で
総額2億5000万米ドルの大口受注を獲得しています。
2006年度の業績見通しでも明るくなってきており
今年の決算でも増収増益となっていくでしょう。
振華港口機械の株価は現在1.1USドル前後の株価に対して
PER(一株利益)では22倍程度で株価は動いています。
通常PERに対して20倍以上の企業というのは
投資家に人気がある、収益の伸び率が高い、
あるいは特殊な場合もありますが
将来性をかわれて20倍以上になっている企業が多くあります。
2006年決算で業績が低調に終われば
同社に対して期待していた投資家の人気も剥げ落ち
株価も下がっていくでしょう。
逆に収益でも50%程度か
それ以上の収益の伸びが確保できれば
同社株は値上がりしていくことが予想されます。
上海振華港口機械の6月中間決算とは逆に期待が大きく外れたのが
日本の投資家にも人気がある
中国国際コンテナ(コード:200039)です。
・中国国際コンテナの2006年6月中間決算から
売上高 --- 145億7292万8981元 前年同期比 19.6%減
純利益 --- 13億5067万3432元 前年同期比 34.1%減
EPS --- 0.6696元
中国国際コンテナの業績は伸び悩んでいます。
中国国際コンテナの4月の株価は10香港ドル前後になった後、
5月には12香港ドル台まで上げた後、
現在は10香港ドル前後で推移しています。
業績でも収益が大きく伸びていくような事業展開が見えてくるまでは
投資はしづらいでしょう。
上海振華港口機械も中国国際コンテナのように、
先々収益の伸びが期待しづらくなったなら、
投資することは控えて
売却することを考えていかなくてはいけません。
どの企業でも、どの業種でも
市場での開拓が終わったなら成熟していく業種になっていきます。
その時期までどれくらいかかるかは
その業種の伸びていける年月や企業努力によっても
違ってくるでしょう。
その成熟していく時期がいつになるかを見極めて
投資していくことが必要です。
男性でしたらいつまでも未練がましく彼女の後を追って行くよりは
早く次の彼女を見つけて恋をすることです。
株式投資であれば、
もう伸びない企業や業種に対して投資を考えていくよりは
今後大きく伸びていく業種、企業への投資を考えていくことです。
恋でも株式投資でも「立つ鳥跡を濁さず」ではないですが、
もう伸びていけない企業(恋)に対しては早く売却(見切り)をして
あとは見苦しくないように始末をし、
利益が少し減ろうが体は軽く、空を飛んでいかないといけません。
ですが、投資の仕方ではなかなかこれができません。
この元には人の欲が大きく潜んでいます。
損をしたくない心から
現実を見定めて先に投資できる企業を選んでいける勇気、
これこそが一番大事です。
もし克服していけたなら
利益を膨らませていくことができるでしょう。
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