第836回
航空業界と石油、石炭企業
原油価格の高騰で利益が出ないのが空港企業ならば、
逆に原油価格高騰で利益が大幅に増えているのが
原油、天然ガスの探査の開発や生産を行っている
ペトロチャイナ(中国石油天然気)や
海上石油採掘で原油や天然ガスの探査、生産、販売を行っている
中国海洋石油などです。
売上げの伸びと同時に利益も大幅に伸びています。
ペトロチャイナの株価は2003年当時は2〜3香港ドルでした。
現在は8〜9香港ドルですので3倍程度になっています。
中国海洋石油は2003年時期に比べて2倍になっています。
また、石炭掘削業者であるヤンシュウコール(ヤン州煤業)は
原炭生産量が伸び悩み2005年本決算では純利益が減少していますが、
石炭価格上昇で業績は今まで順調に伸びてきました。
上海B株企業である伊泰コールは
2005年本決算では純利益が前年同期比で102.3%増と
大きく伸びていました。
ヤンシュウコールは2003年時期に比べて株価が2倍になっています。
伊泰コールは2003年時期に比べて2.5倍になっています。
ではこれから投資をする業種として
運輸関連の空港企業に投資したほうがいいのでしょうか、
それとも業種では石油・石炭の業種、
どちらに投資したほうがいいのでしょうか。
空港企業は利益が出ていませんので株価でも低迷しています。
今後利益が出るようになったなら株価も上昇していくでしょう。
一方石油・石炭業者は順調に業績は伸びてきました。
今後業績でも伸びていくことは予想できるものの、
石油なら原油価格の下落、
石炭なら石炭価格の低迷や人件費が高騰してきたなら
利益を押し下げます。
株価でも現在より下がっていく可能性だって十分出てきます。
業種だけを比べてどちらに投資したほうがいいのか
検討するだけでも投資の仕方、
投資年数によっても答えが違ってきます。
どちらに投資するか考えてもお互いに一長一短があります。
このような状況は他の業種にもいえることです。
現在業種で電力企業は原材料の石炭などの価格上昇で
なかなか利益が伸ばせません。
輸送関連の業種でも海運や物流は
輸送コスト上昇で利益が伸びづらくなっています。
<次回に続く>
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