第835回
赤字企業
中国企業に投資をするときには
その企業が投資家にとってメリットがあるからするわけです。
配当利回りが良かったり将来有望な企業と判断したり、
株価でも底値近辺で投資妙味があるなど
人それぞれの思惑で投資する企業を選んでいくでしょう。
例えば国内、国際路線で客貨輸送業務を行っている航空関連企業の
中国東方航空や中国南方航空 、
山東航空、海南航空などの空港企業は
売上げは大きく伸びていますが、
2005年度の純利益は赤字に陥っています。
これは原油価格の高騰でジェット燃料価格が大幅に上昇し
燃料コストの増大で
売上げが伸びても利益が出せない状態が続いたためです。
では空港企業には将来ずうっと投資ができないかといえば
そうはいえないでしょう。
各空港企業自身は利用客数や運航便数、
飛行時間や路線数、保有航空機数では毎年伸びています。
もしジェット燃料価格上昇がなかったなら
利益でも大きく伸びていました。
株価も上がっており
配当だって出していた空港企業が多かったでしょう。
ですが、利益が出ていない時期だからこそ
逆に株価も低迷しています。
空港企業だって
いつまでも利益が出せない状態が続くわけではありません。
将来ずうっと利益が出ないならば企業はつぶれてしまいます。
中国の空港企業が全部つぶれてしまえば人の運搬は止まります。
影響を受けるのは航空企業だけではなくて
観光やホテル業のほかにも多くの業種が影響を受けます。
そうなれば中国という国家自体が成長していく事はできません。
そうなる前には
中国政府自身が梃入れ策を立て対応してくるでしょう。
株価の安いうちに仕込んでおいて
株価が上がったなら売却することで利益が出せます。
現時点では株価が安いですからその時期です。
ですが、空港企業が利益を出していける時期は
今のところ判断できません。
空港企業の業績予想でも回復傾向にある、
または今年も利益は出せそうもないなどの情報で株価は変動します。
投資家にとって利益が回復していくのでしたら
今のうちに安い株価の時に購入しておき、
高くなったなら売却して利益を出そうという人が増えていきますので
株価も上がっていきます。
その期待がはずれたなら株価も値上がりしていきませんので
投資家は株を持ち続けて次に上がっていくのを待っているか、
売却して他の企業に乗り換えて投資する選択を選んでいくでしょう。
何年でも何十年でも気長に投資する投資家でしたら
空港企業に投資することも検討できますが、
なかなか利益を出すのが難しいのが空港企業への投資です。
<次回に続く>
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