第831回
馬鞍山鋼鉄の2006年6月中間決算から
安徽省が拠点の鉄鋼大手企業である
馬鞍山鋼鉄(コード:0323)は
原材料である石炭や鉄鉱石価格の上昇、
鉄鋼製品の価格が低迷したことを受けて
2006年6月中間決算では
売上高が前年同期比で3.1%減、
純利益では48.8%減と大きく減少しました。
・2006年6月中間決算
売上高 --- 161億4200万元 前年同期比 3.1%減
純利益 --- 10億9000万元 前年同期比 48.8%減
EPS --- 0.1689元
鉄鋼製品価格は昨年末から今年の2月にかけ値下りしましたが、
3月に入り需要の回復を受け値上がりしてきました。
馬鞍山鋼鉄は4月から
比較的利幅が大きい薄延鋼板の生産能力増強に乗り出し
2007年までに500万トン引き上げる計画です。
中国政府は現在非効率な製鉄所を閉鎖して
鉄鋼業界の統合を加速させようとしています。
7月末に入り、山東省政府が
中国7位の鉄鋼メーカーである莱蕪鋼鉄集団と
6位の済南鋼鉄集団の合併計画を承認しましたが、
中国の鉄鋼企業を海外の企業に負けないようにしていくための
政策の一環でもあります。
馬鞍山鋼鉄の2006年決算予想では下半期は業績は回復するものの、
純利益は2005年決算に比べ28%減になる予想です。
2007年度についての純利益は
2006年決算に比べ20%ほど業績は回復する見通しです。
馬鞍山鋼鉄の株価は短期的には下落する可能性が強いでしょう。
ですが、鉄鋼業界の再編と
効率の悪い中小企業の閉鎖で業界統合が進んでいけば
供給過剰問題は解消に向かっていき
収益の伸びとともに株価も回復していく可能性が大きくなります。
|