第830回
広州富力地産が株式分割を延期へ
広州富力地産(コード:2777)には
「小泉鉄造と行く広州、マカオ中国企業視察ツアー」
で2日目の6月8日の午前中にうかがっており、
同社は今年の5月10日に
8月1日付で1対4の株式分割を実施し、
額面価格を1香港ドルから0.25香港ドルに引き下げると
発表しました。
ですが、関係当局の認可が遅れており
7月末に承認を取得できないことから
実施を延期すると発表しました。
承認されたあとは改めて公告するとしています。
今回延期となったことで一時的に人気が離散し、
同社の株価が値下りしていく可能性が出てくると思いました。
ですが、大きくは値下りしていません。
中国政府は不動産バブル懸念があるために
現在はマクロコントロール策で対応しようとしていますので
今後不動産株は一時下がる可能性も出ていました。
中国の国家税務総局は対応策として
8月1日から個人の住宅譲渡にかかる
所得税の徴収管理を強化すると発表しており、
個人所得税法では譲渡収入から
「住宅取得原価」と「合理的な費用」を控除した額に
20%の個人所得税の支払いが義務付けられています。
ですが実際は税制体制の不備をついて
脱税行為が日常的に行われていました。
今後は実際に納税者が申請する譲渡収入が市場価格より低い場合は、
関連機関が不動産の相場などから市場価格を判断した後、
譲渡収入に対し適正範囲内で税率を引き上げるというものです。
このため上海の住宅オーナーなどでは住宅価格を引き下げてでも
8月1日までに成約しようという気運が支配していました。
不動産に対してマクロコントロール政策が強化されれば
物件の販売も一時は押さえつけられます。
ですが、中国政府は不動産企業をつぶそうとしているのではなく、
持続的に発展させていくために対応策を打ってきています。
不動産企業の株価は6月半ばから後半にかけて値下りしましたが、
その後上がってきました。
不動産企業の株が大きく値下りしないのは
業績でも順調に伸びてきているからです。
不動産企業に対しては長期で投資が考えられることが分かります。
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