第824回
中国ガスの2006年3月本決算から
中国の天然ガス事業者で
ガスパイプラインの運営を手がけ、供給および販売を行っている
中国ガス(コード:0384)が2006年3月本決算を発表しました。
・2006年3月本決算
売上高 --- 6億3100万香港ドル 前年比 53.3%増
純利益 --- 1億5700万香港ドル 前年比 62.2%増
EPS --- 0.0615ドル
期末配当 --- 0.01香港ドル
中国ガスがやっと2006年3月本決算を発表しました。
2005年の本決算発表は6月後半に行っていましたので、
今年は大幅に遅れたことになります。
売上高が前年比で53.3%増、
純利益が62.2%増となっていますので
高い数字です。
ですが、予測では
純利益が前年比の65.2%増までは届かないものの
前年比64%増を見込んでいましたが、
その数字より低くなっており62.2%増にとどまっていました。
また2005年の一株利益が0.072香港ドルでしたが、
2006年の一株利益は0.0615香港ドルにとどまっています。
中国ガスは転換社債割当発行、
第三者割当増資、新株割当発行などを行ったために
市場に出回る株数が増え一株利益では逆に少なくなっています。
私自身は配当金を出さなくとも
事業権を収得するために使っていくのでしたら
ぜんぜん出す必要はないとは思っていましたが、
中国ガスは2006年3月本決算で
期末配当として0.01香港ドル出すことを発表しました。
中国ガスは期末配当を出すため、
払い込み剰余金3億8203万8000香港ドルを取り崩して
累損を穴埋めする計画を発表しました。
実施されれば、
2006年3月31日時点の累損を全額補填されることとなります。
中国ガスは累損の穴埋めに対しては
配当を実施するためのものであり、株主の利益と合致する。
払込剰余金を取り崩しに対しての
業務運営、財務状況などへの影響は軽微ですむと説明しています。
中国ガスの2006年3月期の天然ガス販売量は
1億7200万立方メートルでした。
2007年度の天然ガス販売量の見通しに対しては
5億立方メートルに達するであろうという見通しを
同社は出しました。
天然ガス販売量でも約2.9倍増の計算になります。
梁永昌CFOは2007年度と2008年度の2期で
計22億〜25億香港ドルの設備投資を行い、
向こう1年内には都市ガス事業のカバー地域を
2006年3月末時点の50都市から
60都市に拡大していく意向を発表しています。
長期的に業績は伸びていくでしょうが、
中国ガスの現在の株価は1.30香港ドル前後で
PER(株価収益倍率)では20倍強となっています。
*PERとは
投資判断指標のひとつで、
株価が1株当たり利益に対して何倍で買われているかの倍数。
中国ガスの今の企業評価からすれば株価に対して割高感があります。
ですが、同社の成長を長期で見たなら投資を検討できる株価です。
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