第823回
スカイワースデジタルの2006年3月本決算から
中国大手のカラーテレビメーカーで、
ほかにデジタルAV製品の設計、製造、
販売やネットワーク通信製品の生産、販売も手がけている
スカイワースデジタル(コード:0751)が
2006年3月本決算を発表しています。
・2006年3月本決算
売上高 --- 106億9900万香港ドル 前年比 2.2%増
純利益 --- 2億1600万香港ドル 前年比 42.6%減
EPS --- 0.095香港ドル
期末配当 --- 0.028香港ドル
スカイワースの2006年1月のテレビ販売台数は
前年同月比で15%減の110万台となっていましたが、
ハイビジョンテレビと液晶・プラズマテレビは伸びていました。
2006年6月のテレビ販売台数では
前年同月比で16.4%増の58万3000台、
中国市場向けのハイビジョンテレビが前年同月比で47.1%増、
液晶・プラズマテレビが93.3%増となり、
全体でも前年同月では3.5%増加し
海外市場向けも53.5%伸びています。
業績では回復傾向です。
スカイワースは黄宏生・前会長と
実弟である黄培昇・前取締役が
2000年11月から2004年10月にかけ粉飾決算、横領、詐欺などで
香港廉政公署(香港の汚職対策機関)に逮捕されました。
これを受けてスカイワースは株式取引を停止した後、
およそ1年1カ月ぶりの2006年1月に取引を再開しています。
香港特別行政区区域法院(裁判所)は
両氏に対し有罪判決を下しています。
スカイワースの売上高は日本円で約1500億円もあり、
機関投資家やファンドにも人気があった企業で、
多くの投資資金が同社に入っていました。
ですが、この出来事で機関投資家やファンドは
大きな損害を受けました。
まさに機関投資家にとっても寝耳に水の事件でした。
これは中国企業だけではなく、アメリカでも日本でも
(カネボウの粉飾決算や、最近ではライブドア)
企業のトップが企業ぐるみで粉飾決算を行っていたのですから
機関投資家や一般の投資家には絶対にわからないでしょう。
最もこのような企業は特殊な数少ない例ですが。
このような企業に投資していたとして
後で事件が発覚して、株価が大きく下がった、
または上場廃止になるなどの危険を回避するためには、
1社にお金を全額投資するのではなく
何社かに分散投資をしたほうが間違いないでしょう。
スカイワースの業績は今後も苦戦を強いられながらも
2008年の北京五輪へ向けて
デジタル化の進行などで
業績が伸びていく可能性のほうが強いでしょう。
ですが、香港上場のテレビ製造各社の業績を見るとわかるのですが、
中国でカラーテレビ世界最大手企業である
TCLマルチメディア(コード:1070)の2004年12月本決算は
3億900万香港ドルの黒字でした。
それが2005年12月本決算では6億香港ドルの赤字に転落しています。
エアコンと冷蔵庫が主力商品の家電メーカーである
華凌集団(コード:0382)は
売上げが伸びているものの純利益では2003年からずうっと赤字です。
家電関連メーカーは
なかなか投資しづらい業種であることには間違いありません。
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