第776回
香港株式市場が大幅反落
5月20日以降香港、中国本土、その他の新興国市場国だけではなく
アジアや欧米、日本など世界各国で同時株安が起こっていました。
アメリカでは、5月10日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)で
利上げは今後行わないのではないかという
市場関係者の見方が多かったのですが、
インフレ懸念が払拭されたわけではないとの見方から
今後の様子を見てから判断していくというものでした。
もし、米連邦準備制度理事会が利上げを継続するのでしたら
米国金利に預けておいたほうが利益になりますので、
米ドルの為替レートが値上がりし
アジア主要国の通貨は値下がりします。
また、アメリカが利上げを継続していくなら
アメリカの国民は消費に回すお金を使わないようになりますので
消費が低迷します。
そうなれば製品をアメリカに輸出していく国は、
製品を輸出し稼ぐことができなくなりますので
経済でも打撃を受けるようになります。
世界各国の株価指数でも、
5月半ばまでは小幅に下がってきていましたが、
引き続き株価指数が下がっていくに従い
株価も下げるスピードを速めてきました。
5月22日には
新興国市場から欧米投資家の投資マネーが流出し始めたという報道で
22日アメリカのダウ・ジョーンズ社が発表する
ニューヨークダウ工業株30種平均でも0.17%下がり
11125.33ポイント、
ナスダック指数でも0.96%値下がりし
2172.86ポイントとなっていました。
23日には日本株式市場の日経ダウでも297円58銭下がり、
1万5857円87銭で引けています。
23日の香港市場はどうかといえば、
香港H株指数は0.71%高い6691.35ポイントで引けています。
中国本土の上海B株は3.460%下がり95.223ポイント、
深センB株は5.072%下がり298.981ポイントと
値下がり幅が大きくなっていました。
特に22日だけを見ますと、
インドのムンバイ証券取引所では売りが急拡大したために、
上場するインド株のSENSEX指数が10%強も下がりました。
インド株が大きく下げたのは、インド税務当局の報道で
外国人機関投資家に対し
41%の税率が適用されるのではないかとの
間違った報道が起きたことが売りを加速させ、
ムンバイ証券取引所は一時売買を停止しています。
2006年に入りファンド等の投資資金は
インド株式市場に約43億ドル相当入ってきており、
危機感を抱いた投機資金は引き上げたことで
大きく指数でも下げました。
今回、株価でも指数でも大きく下げたのは
香港や中国本土市場の株価ではなく、
今まで将来性期待で上げてきた
インド株式市場などの新興国市場の株価でした。
<次回に続く>
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