第777回
投資資金の流れ
今回の下げは企業の業績云々ではなく、
投機資金の引き上げと
株式市場全体が低迷する時期に当たったことが原因です。
2006年の中国経済でのGDP伸び率(国内総生産)は
8〜10%内で推移するでしょう。
また、業績が伸びている優良企業は
今年も成長していくことが予想できます。
今回の出来事は外部要因で、
過去には鳥インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)で
中国の経済が直接影響を受けたわけではありません。
投資ファンドは新興国に分散投資し
中長期的に企業が成長していけるような市場に投資し
利益をあげていきます。
投資資金、投機資金は
伸びていけるような国に対して投資する資金もありますが、
各国の株価指数を見て割安感が出てきた市場に投資し、
リスクヘッジを行い平均以上の利益を上げていきます。
そのためには、発展途上国や中所得国および低所得国などがある
エマージング・カントリーリスクに投資していくことで
利益を上げていこうとします。
国民総所得では
世界人口のうち年間収入が10万円以下が約8割です。
1人当り国民総所得で高所得国層は
地球規模で見ても2割程度です。
投機資金もエマージングマーケットが成長していけば、
大きな市場になるとともに投資した成果も上がっていきますので
大きな利益を上げていくことができます。
では、投機資金というのは長期で利益を追求していくでしょうか。
実際はそうとはいえません。
投機資金を運用している投資者は一般に個人投資家も多いですが、
顧客の中では圧倒的に企業が多くなっています。
そのような投機資金は
1年以内に如何に利益を膨らませていってくれているのか、
配当金額をいくら支払ってくれるのか、
短期的に見て利益を追求しますので
長期で大きな利益を上げていくよりは
目先の利益がいくら上がっていくのかを主流に考えています。
投機資金運用企業も
そのような資金に答えていかなけれないけません。
ですので、3ヶ月間半年の間に利益をあげて
その中から投資してくれた企業などに
利益配分をしていかなければいけません。
もし、運用実績が上がらなければ運用担当者のすげ替えがおこるか、
企業自体が
運用している投機資金運用企業を変えていくようになります。
では、そのような投機資金に対して
個人投資家が対処できないかといえば
まったくそんなことはありません。
投機資金が短期で入ってくるのでしたら
それに対して投資の仕方でも
考え方、見方を考えて対処すればいいだけのことです。
<次回に続く>
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