第763回
QDIIでのインパクト
QDIIが行われますと
認可された金融機関が海外への投資ができますから
この業種で認定された金融機関が
メリットを受けることが考えられます。
銘柄では保険会社の中国人寿保険(コード:2628)
中国人民財産保険(コード:2328)
平安保険(コード:2318)など。
金融機関では建設銀行(0939)などとなっています。
QDIIが実施されるとなると
中国本土の資金が香港市場に流れていきますので、
香港株が上昇するのではないかということで
市場全体の株価指数も上がることが予想されてはいます。
では実際にはどうなるかといえば、
大きく値上がりしていくというような
インパクトはないかもしれません。
中国の銀行預金残高は2006年3月末時点で
31兆8000億元と見られており、
この中から大量の資金が
QDII制度によって香港市場に流入してくるとはまず考えられません。
現在はQDII全体の投資枠を設定する段階で
具体的な数字は出ていません。
また大量に投資できる金額を多くしますと、
今度はA株市場の株価が急落しかねません。
そうならないためにも投資枠の金額は
少ない数字になっていく可能性があります。
第1回目に金融機関が認定される金額にしても
70億〜150億香港ドル程度になるのではないかという観測もあり、
そうなれば金額として大きなインパクトはありません。
中国政府はQDIIで小出しに資金を出し
様子を見ながら増やしていく可能性が大きいでしょう。
金融機関にしても四大銀行の一社の中国建設銀行が上場しただけで
今後残りの三社が上場してきますので
その兼ね合いを見ながら
投資金額が増えていくようになるのではないでしょうか。
ですが、QDIIを通して
香港市場に中国本土から機関投資家からの資金が入ってきますので
少しの値上がりでしたら期待ができる可能性があります。
<次回に続く>
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