第714回
垣根が低くなっていく
2000年のころはA/H株の株価差が大きく離れていて
10倍以上離れていた企業もありました。
その後A/H株の株価差は縮まってきており
現在では大きく離れてはいません。
むしろA株の株価よりH株の株価のほうが高い企業があります。
企業名では中海発展(コード:1138)、中興通訊(コード:0763)、
鞍鋼新軋鋼(コード:0347)、青島ビール(コード:0168)などは
H株の株価のほうが高くなっています。
またシノペックシャンハイペトロ(コード:0338)、
シノペック(コード:0386)、華能国際電力(コード:0902)、
東方電機(コード:1072)、ヤン州煤業(コード:1171)などは
A/H株株価差はほとんどなくなってきています。
A株対してH株株価のほうが高い企業、
A/H株株価差がなくなってきている企業を見てみると
業績のいい優良企業となっています。
逆にA/H株株価差が離れている企業は
業績の良くない企業が多くなっています。
また離れている企業でも3倍前後となっています。
2000年の時点でしたらA/H株株価差が10倍程度、
優良企業でも3倍から4倍と株価が離れていましたので
株価差を狙って投資をしていくことも考えられましたが
現時点では投資は考えられません。
QDII制度が導入されるということは
香港市場に中国からの投資資金が流入してくるということですから
香港市場の株価全体が上がっていくことになります。
実際に資金が入ってくるの時は時間がかかりますので
まだまだ先のことです。
あわてて今
香港市場に投資をしなければいけないというわけではありません。
中国政府は2006年1月に入り
上海証券取引所の周勤業・執行副社長が
A株とB株を2006年内に統合させる計画があると発表しました。
これで一時A/B価格差がある企業の株価が上昇しました。
中国はアメリカに対して国際収支では大きな黒字額となっています。
QDII制度を導入すれば海外(主に香港)に投資資金が流入し
国際収支の改善につながっていきます。
また資金の流動性を高まることで
人民元の兌換に向かって一歩前進していくことになります。
中国株式市場と世界との垣根も
低くなってきていることがわかります。
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