第713回
QDII制度導入時期について
国家外貨管理局・資本項目司の鄒林・司長は
規制緩和を実施し
2006年内に保険会社が外貨を購入して
海外投資することを認め
対外金融投資のルートを拡大させて
中国本土の機関投資家や個人の外貨資金を
直接的にも間接的にも海外の資本市場に流出させていくという
発言をしました。
この発言を受けて
適格本土機関投資家(QDII)制度の導入が
正式に実施されるのではないかという見方が出てきました。
*QDIIとは
適格国内機関投資家
(Qualified Domestic Institutional Investors)
制度のことで、一定の条件を満たしている中国国内の機関投資家に
海外の証券投資を認め
中国本土の投資家が海外の証券に投資を認めるというものです。
海外の証券投資先では
香港に上場している企業への投資が有力です。
QDII制度導入では
初期の段階では投資可能な金融商品を固定利付債券にしていき、
その後様子を見ながら段階的に
株式や金融派生商品(デリバティブ)に拡大させていく予定です。
ただし投資限度額は国内企業が対外投資向けに使える外貨は
原則として年間50億ドルと規定し、
1000万ドル以上の外貨を購入する際には
認可を取らなければいけないという条件付です。
中国国内の保険会社では海外証券投資について
5社が認可を申請しており現在審査が進められています。
香港市場に上場している企業では
中国人寿保険(コード:2628)
中国人民財産保険(コード:2328)
中国平安保険(コード:2318)
の3社が認可を申請しています。
香港上場企業の中で中国本土のA株市場と香港市場に
同時上場(H株企業)している企業があります。
株価差があってH株がA株の株価より安い企業の株は
A株の株価にサヤ寄せされる形で
値上がりしていく可能性がありました。
<次回に続く>
|