第710回
風が吹けば桶屋が儲かる
世界経済の流れの中から中国がどのように伸びていき、
どの業種が一番成長していく
か当てることはなかなか難しいでしょう。
だからといってそこであきらめてはお終いです。
いろいろなことを考えているうちに
他の面からも中国の成長を見ていく目が生まれてきます。
諺で「風が吹けば桶屋が儲かる」というのがあります。
諺の内容は、
風が吹くと埃が舞い上がる。
埃が人の目に入れば眼病が流行って目の不自由な人が増える。
目の不自由な人は生きて行くために三味線を習う。
三味線引きが増えると猫の皮が必要になる。
猫が減って鼠が増える。
鼠が桶を齧る。
桶がなくなったなら桶が売れて桶屋が儲かる。
実際にこのようになるというわけではありませんが、
回りまわっていくと
どの職業が流行っていくかという例を端的に表しています。
中国では故トウ小平氏が
「白猫でも黒猫でも、ねずみを取る猫が良い猫だ」と、
いうことで経済改革を行っていくことが国民の利益になっていく、
「一国二制度」で一つの国家を前提として
国家は社会主義を行いながらも資本主義も認め、
「豊かになれる国民から豊かになっていけばいい」
と発言実行したことから中国経済は世界に向けて開かれてきました。
国と国との自由な経済関係が一部解禁されたことで
世界の企業も中国本土に投資を加速させてきました。
まずはインフラ関連の業種が伸びてくるとともに
中国の経済が伸びてきたことで石油などは足りなくなり
中国は世界の国から石油を補給していくために
海外に進出していきました。
また中国の国民が豊かになってきたことで
今まで製品を作る世界の工場から
消費国としても捕らえるようになってきています。
諺で「風が吹けば桶屋が儲かる」の部分では
「風が吹くと埃が舞い上がる」といったところです。
次に中国で経済が伸びていくことで
長期にわたり石油が足りなくなっていくであろうという推測のもと、
今後も原油価格は上昇していくとして原油価格が高騰しました。
これに投機資金が入り一時大きく石油価格が上昇しました。
原油先物相場で大きく儲けた投機資金は
次に景気のいい国や金などの商品に投機資金を回したため
実態より高い価格で値上がりしてきています。
諺で「風が吹けば桶屋が儲かる」の部分でしたら、
「風が吹くと埃が舞い上がる」から
「埃が人の目に入れば眼病が流行って目の不自由な人が増える」
に移った部分です。
ではこれから景気のいい国への投資や金などの商品で
投機資金が大きく儲けたとしたなら
今度はそのような投機資金はどこに回っていくのでしょうか。
諺なら
「埃が人の目に入れば眼病が流行って目の不自由な人が増える」
から
「目の不自由な人は生きて行くために三味線を習う」
の部分に入っていきます。
<次回に続く>
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