第635回
上海証券取引所で聞いたこと
上海証券取引所には10月28日、午前11時に伺っております。
上海証券取引所では取引所関係者の方から話をうかがっています。
基本的な質問と取引方法、疑問点を聞いた後の答弁で
非流通株問題に対して大きな話を聞くことができました。
現在中国政府が証券市場で目玉として行なっているのが
非流通株改革です。
非流通株は国が保有している株のことで
今までは株式市場に出回る事はなかった株です。
この非流通株を市場に放出し流通することによって
透明性のある株式市場に育て上げていくのが中国政府の目的です。
一般の投資家は現在流通している株を売買していますので、
非流通株が市場に出回ると
それだけ株数が多くなりますので
需給悪化懸念が出てきていました。
投資家は悪材料として
いつ政府が非流通株改革を行なうのか
戦々恐々としてみていました。
中国政府は2005年に入って
積極的に非流通株改革を行い進めました。
その結果今年前半は中国本土A、B株市場の株価指数は
徐々に下げてきていました。
下げの底になった時期は
中国政府が中国の通貨、元を固定から2.1%切り上げた上で
バスケット制を採用すると発表した
7月21日前後となっています。
中国の投資家は
中国政府が非流通株を流通させていくことが確定的になった段階で
中国投資家の関心は
非流通株を流通させるうえで
現在保有している非流通株企業の株に対して
いくら保障をしてくれるのか
という事に移っていきました。
現段階がその時点です。
基本的に対象になるのは中国株式市場のA株株主が対象で
私達海外の投資家には行なわれません。
ここで一つ大きな話を聞いたのが
この非流通株改革を
いつまで行なって終わらせるのか
という質問に対しての答えでした。
現在上海A株市場に上場している企業数は900社以上ありますが、
国が保有している非流通株は
今後1年半の間に全部市場に放出するという話を聞いています。
これは全部の非流通株を市場に放出できるという意味ではなく、
全部の企業に対して
放出してしまう手続きを完了させるということでした。
また、株式市場や政策の様子を見て
スピードには変化がでるものの
決定した事項であるということです。
1年半といいますと、
現在は2005年11月ですから2007年4月頃までには
完了させるということになります。
今後しばらくは非流通株放出問題で市場は揺れるでしょうが
ある程度非流通株放出問題にメドがつけば
株価は上昇していくようになるでしょう。
私達海外の投資家は
非流通株放出問題で何か出て株価が下がったなら
購入の時期と考えて投資していっていいでしょう。
今回この話を聞けただけでも
上海証券取引所に伺った意義がありました。
<次回に続く>
|