第630回
シノペックの2005年1〜9月決算から
中国で石油・天然ガスの
探査、採掘、生産、貿易、販売等を手がけている
シノペック(中国石油化工、コード:0386)の
1〜9月決算では売上高が38.14%増ながら
純利益は10.12%増にとどまっています。
・シノペックの2005年1〜9月決算より
売上高 --- 5769億9000万元 前年同期比 38.14%増
純利益 --- 264億7600万元 前年同期比 10.12%増
EPS --- 0.277元
第三四半期(7〜9月)の業績では
売上高は41.5%増の2177億4200万元と伸びていました。
ですが、純利益では20.4%減の85億9600万元となっていました。
原油価格が高騰したため生産コストが上昇しましたが、
石油製品の価格は国家の統制下にあるために
上げることができずコスト転嫁ができなかったために
減収になっています。
今後石油製品分野では利益を出しづらくなってきています。
第三四半期では売上は伸びいたものの
純利益は前年同期に比べマイナスとなっています。
シノペックの株価は
現在3香港ドルを超えたところで推移しています。
2004年決算から計算した
シノペックの株価が3.1香港ドルの場合のPERと配当利回りです。
PER:7.91倍
配当利回り:3.67%
シノペックの今日のPERを見ても7.91倍と
10倍を割って高い数字です。
企業の株価は投資する投資家によって決定していきます。
この点で見ますとシノペック自身のPERの動く範囲では
安いときで10倍程度、高いときで6倍程度が適正範囲の株価です。
純利益が前年同期比マイナスとなったことで
株価でも調整して下がる可能性もあります。
長期的に見ればシノペックは伸びていく企業です。
ですが大きく成長するというよりは
年間平均伸び率では穏やかな伸びとなるでしょう。
このような業種は石油価格が株価を大きく左右しますので
株価の動きも
数年単位でどちらに向かって動いていくのかを検討しながら
長い目で見て投資をしていく必要があります。
長期的に見て投資できる企業に入ると考えられます。
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