第629回
経済が政治を超える
中国政府が考えることは
安定した国の成長を見込んだ政策ですが
企業の立場では違ってきます。
いろいろな難しい状況を回避しながら成長していくのが企業です。
企業にとっては中国政府の指導もひとつの問題ですが、
ほかの問題も多く含んだ中で
企業を発展させていかなくてはなりません。
伸びていける企業というのは
中国政府のマクロコントロール政策でも影響を受けますが、
そのほかにも多くの要因が影響します。
例えば現在元の切り上げ問題があります。
中国は2005年7月22日から2%元を切り上げたうえで
アメリカドルに対してほかの通貨を組み入れた
バスケット制に移行したことで
輸出企業は売り上げが上がっても収益が減ります。
また海外から同業種の企業が進出して来たなら
今度は海外企業との競争が激化します。
企業にとっては中国政府のマクロコントロール政策自身の影響は
多くの障壁の中でひとつのことでしかありません。
ここでは企業が発展していく上で
中国政府の意向はひとつの要因でしかありません。
中国政府の政策で
企業自身の業績が大きく左右される事だけを考えるのではなくて
ほかの要因も大きく変わっていくことになります。
場合によっては中国政府の政策以上に大きな打撃を受けます。
つまり企業が伸びていくのを
国の政策だけで抑えることはできることではありません。
中国一国の問題で企業成長が抑えられるのではなくて
他の国との関係、
そのほか政情問題もかかわってくるかもしれません。
中国の政策だけで企業をコントロールできることは
共産党支配の時代でしたら可能でしょうが、
市場経済主義に変わってきたときには
市場でコントロールして抑えることに対しては限定的です。
むしろ株式投資でこのような事だけで投資判断をすると
ほかの要因を無視した形で
正しい投資判断ができない可能性があります。
経済の流れを見ながら中国政府の対応も違ってきます。
この点では経済が政治を超えていき、
その後で政策がついてくるという事になります。
投資する企業に対しても
政策の影響は限定的なケースを考えて
企業判断する必要があります。
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