第627回
政治と経済
経済が発展できる国では企業も伸びていきます。
ですが業種によっては大きく業績が伸びすぎると
その時点は発展してもバブルになったり
長期的に国が成長していけなくなる可能性が出てきます。
そのような時には国として
経済に対してマクロコントロール政策を行ったり
金利を上げたり下げたりし、
適正な成長ができるところまで押さえていこうとします。
中国では不動産バブルがおきないように行政指導を行ってきました。
鉄鋼関連企業でも供給過剰が起きていましたが、
不動産引き締め政策を受けて
鋼材価格は値下がりしてきました。
住宅価格上昇では不動産企業に対して指導を行っています。
ですが海外からの資金流入と投機資金、
実際に購入できる国民の増加で
国が意図しているところまで下がっては行きません。
いつバブルが中国本土全体で起きてもおかしくありません。
また原油価格高騰などは
中国一国で解決しようとしても難しい問題です。
世界の中で原油消費量が増え
生産する国がその分を供給できなければ
価格は上がっていきます。
需要に供給が追いつかなければ
価格が上がっていくのは市場原理です。
原油価格上昇時には投機資金も入り大きく値上がりしました。
このように中国だけで解決できる問題ではなく
ほかの国の影響を受けることになります。
自国だけである程度解決できることと、そうでないことがあります。
中国株企業に投資するときにも
中国だけで発展していける部分と海外に進出して伸びていける分、
またはマイナスになる可能性を
ある程度把握して投資する必要があります。
例えば上場している中国企業の保険会社に投資を考えた場合
中国本土の保険会社は自国で営業を展開してきましたので
今までの加入者や支店網を生かした有利な立場にあります。
ですが保健分野は海外に解放されていきますので
今後は中国の保険会社と海外の保険会社が
中国でシェアー獲得の競争になっていきます。
中国では所得の伸びとともに加入者が増えますので
海外の保険会社にとっては利益を拡大していく市場となります。
逆に中国の保険会社にとっても
今度は海外に進出できる絶好の機会になっていきます。
またこのように考えられる企業でないと
企業自身が大きく成長できないでしょう。
保険商品でも新商品開発だけで集客を考えるのではなくて
成長していくための企業戦略が必要です。
<次回に続く>
|