イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第579回
既得権とスピード

中国では農業を行っている業種も上場しています。
香港市場では私営企業の
超大現代農業(コード:0682)が上場しており業績でも堅調です。
中国では土地は国のものですから
同社は国にお金を支払い大規模な農業を行ったり、
農家と契約して作物を作っています。

日本では土地は国のものではなく個人の所有物です。
ですが農地法がありますので
簡単にほかの目的で(たとえばマンション建設など)行うには
法律上の手続きが必要になりますので
簡単には目的を変えることは出来ません。

また日本でも超大現代農業のような上場企業がでてきても
おかしくはないのですがまだありません。

ではなぜ日本の業種でも
高速道路企業が上場したり農業を行っている企業が
上場してこないのでしょうか。
日本人は農耕民族ですから田畑を耕すのが好きな民族です。
リタイヤしたなら自然を相手に
果物や農作物を作っていきたいと思っている人が多いでしょう。
ですのでそのような人が
農業でも進出できるような法律案でも改訂していけば
上場企業がでるかどうかは別としても
老後での暮らしに張り合いが出てくるでしょう。

高速道路企業が上場出来ないのは
既得権を持った機関が
権益を手放したくないという要素が大きいでしょう。
また、今回の郵政民営化法案にしても
改革を進めていくというより
改革は進めてほしいが
自分達が権益を手放したくない所だけを取り除いて行ってほしい
という気持ちが強いのではないでしょうか。
言葉は悪いですが、日本がどうなろうが関係ない、
自分だけよければ
ほかはどうなってもかまわないというような考え方と似ています。

中国では法律でも国有企業改革でも
まだ行っていかなければいけないことがたくさんあります。
そのためにひとつの改革を行っていくには
文章にしても何億ページという資料が必要です。
また資料が揃ったからといってそれで終わったわけではありません。
そこから随時改訂していき、
修正を加えながらまた進んでいくということの繰り返しで
膨大な時間も必要です。
ですが、中国では少しずつですが着実に進んでいます。
一方日本はどうかというと
いろいろな問題に対して先送りが多すぎます。
本来は解決したほうがいいに決まっています。
ですが、官僚になった人も
自分の任期のうちは何とか適度にやっていければそれでよし、と
いう考え方の人も多いように見受けられます。
これでは少し前の(一部の企業では現在もですが)
中国の国有企業のトップと同じ考え方になってしまいます。
中国経済の発展段階はまだ子供と同等です。
子供の成長は早いものです。

改革に対して中国云々を言う前に
日本自身ももう少しがんばっていかないと
いつの間にか中国に先を越されてしまうことだって考えられます。
中国上場企業の企業成長だってまだ子供と同等です。
成長が速い企業に投資していけば利益は早く膨らんでいきます。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2005年8月25日(木)

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