第578回
日本の改革と中国の改革
中国では市場への株価への影響と推移を見てみていきながら
非流通株を放出していくようになるでしょう。
日本でもかつては国が持っていた
国有株のJR(旧、国鉄)を売り出しました。
それまで国鉄は大きな赤字を垂れ流していましたが、
JRになってから体質が変わり収益がでるようになってきました。
現在中国政府が持っている非流通株の国有企業は
赤字企業が多く税金も支払っていません。
業績でも赤字になったからといっても
トップ自身が任期中だけ粉飾決算を行って
黒字に見せかけておけば何とか対面がたもてます。
また企業が赤字だったなら
中国政府が何とか面倒を見てくれるであろう
という考え方が横行していました。
ですが国有株放出後は投資家の目が
決算に対しても注目するようになっていきます。
ですのでまだまだ時間はかかりますが、
中国でも今後はそのような体質は改善されていくでしょう。
では株式市場上場企業では日本の改革と中国の改革では
どちらのほうが進んでいるでしょうか。
法律では日本の株式市場のほうが進んでいます。
まだ中国は7月21日に元の切り上げを行いましたが、
元の兌換は行われていません。
ですので日本の株式市場と法律の中身でも対等になるには
まだまだ時間がかかります。
ですが、上場している業種では日本ではまだですが、
中国では上場している業種があります。
たとえば日本では高速道路企業は上場していません。
日本でも上場させるとは言っていますが
いったいいつになるのか
その道筋も今現在はっきり見えていません。
中国でしたなら香港上場高速道路銘柄でも
H株を見ても上場している企業が多くあります。
四川高速道路(コード:0107)、江蘇高速道路(コード:0177)
深セン高速道路(コード:0548)、浙江高速道路(コード:0576)
安徽高速道路(コード:0995)などがあり、
中国本土B株市場にも高速道路企業は上場しています。
前に浙江高速道路の本社に伺いミーティングを行ったときに
質問した中で忘れられない言葉があります。
企業内容や今後の営業展開、
株主に対しての利益への還元率を聞いた後
中国政府と高速道路企業に対する質問の中で
「中国政府が同社に対して
採算の取れない地域の高速道路運営を押し付けるのではないか」
という質問に対して、答えは
「採算の取れるところを運営してくれればいい、
取れないところはこちら(国)で行っていく、
と言っているので心配はない」
という返事でした。
非常にわかりやすく明快な回答です。
ここで考えてしまったのは
日本ではこのように行かないのは
なぜなのだろうかということでした。
利益が上がるようなところには既得権を持った部門があり
その人たちは絶対に手放さないであろうということで、
もしその部分が侵されるようなら
いろいろな手を打って妨害してくるであろうから
中国のように改革は出来ないであろうという実感でした。
<次回に続く>
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