第576回
輸出企業
中国の元が切り上がりますと
輸出業者は為替で利益が下がりますので、利益が減っていきます。
輸出業者の株価は元の切り上げをにらんで
今年前半は株価でも上がっていくというよりは
様子見が出て軟調な展開でした。
中国政府は7月21日に中国の通貨元を2%程度切り上げました。
元が切り上がったときに
投資家はその後元がどのように動いていくか不安心理が先にたち、
株価でも上がっていくのではなく
様子見模様が続いていました。
深センB株企業の中国国際コンテナ(コード:200039)は
世界最大のコンテナ製造メーカーで
製品の9割を輸出し稼いでいます。
元が大きく切り上がったなら
同社の利益率は下がっていきますので
株価でも4月に2004年決算で10割無償と0.5元の配当を出した後
株価では大きく上がってはきていませんでした。
むしろ元の切り上げが株式市場で話題になってきた時に
株価でも安くなり7月8日に6.500香港ドルまで下げました。
では中国国際コンテナの2005年業績予想はどうでしょうか。
中国国際コンテナは4月26日に
2005年第一四半期(1〜3月)決算を発表しています。
売上高 --- 81億5546万3224元 前年同期比 105.1%増
純利益 --- 9億1444万7972元 前年同期比 395.1%増
EPS --- 0.9068元
4月の時点で売上高で2倍強、純利益では5倍近く伸びています。
普通でしたら株価でも
大きく伸びていってもおかしくない数字です。
ですが、株価では7月8日の底値に向けて大きく下がりました。
その後株価でも上がり始めたのは
7月21日に元の切り上げがあった後です。
つまり業績でも大きく伸びているのはわかっていても
元の切り上げが同社の収益に
どのような影響を与えるのかわからなかったために
株価でも上げてきてはいませんでした。
中国国際コンテナは8月18日に入り
2005年6月中間(1〜6月)決算を発表しました。
売上高 --- 181億2748万2652元 前年同期比 63.4%増
純利益 --- 20億5101万5084元 前年同期比 119.6%増
EPS --- 1.02元
売り上げでも純利益でも第一四半期より下がってはいますが、
売上高では60強、純利益でも2倍以上と順調に伸びています。
株価でも元の切り上げの影響が少なくなったことで
7月21日以降上がってきており
最近の株価では一時9香港ドル台を回復しました。
現時点の株価では8香港ドル台で推移しています。
同社が輸出企業でなければ
株価でも大きく上がってきていたでしょう。
現時点では輸出企業の株価は安い銘柄が目立ちます。
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