第563回
中国の事情とその後の株価の動き
中国国内での高い失業率と
農村では1億人以上いるといわれている
余剰労働力をいかに労働力として活性化させていくかでは、
今後も海外企業が中国への進出を
中国政府が応援していくことが必要です。
中国に進出してきている海外企業にとっても
大きな元の切り上げ幅でしたらダメージは大きいですが、
小幅な元の切り上げ幅なら
大きく影響を受ける企業も少ないですから
引き続き中国が生産拠点になったり
中国への企業投資資金が入り
経済でも順調に伸びていくことが期待できます。
このような経済の状態で中国が伸びていくには
金融政策での強化、
内需の拡大、中国企業の国際競争力の強化、
貿易バランスの維持と
企業経営の近代化がある程度できるようになったら
元の切り上げ幅でも
ある程度は拡大していくことは出来るでしょう。
ですが、今はそういう状態ではありません。
ですので中国政府はなるべくなら
元は大幅には切り上げないでおきたいと思っています。
ですのでここ数ヶ月間で
大きく元が切り上がっていくようなことにはならないでしょう。
ならないというよりはできません。
中国人民銀行は為替市場に
今後も介入を行い中国の企業動向や
銀行改革と海外との経済圧力の中で
時期を見ながら元の変動幅を切り上げていくでしょう。
切り上がっていく時期では
アメリカとの経済摩擦と圧力が
どこまで強いかによっても違ってきますが、
少しずつですが切り上がっていくことは間違いありません。
7月21日に中国人民銀行が2%ほどの元の切り上げを発表したときに
どこまで株式市場にとっても影響が出るのか関心事でした。
次の日22日に香港市場は1%前後
株価指数で値上がりしただけですが、
中国本土の株式市場の株価は上海B株指数が7.146%高、
深センB株指数が3.732%高と株価は上がっていっています。
これは最近まではB株が売り込まれて大きく下げてきていたことと
今回の人民元切り上げで投資家の市場心理が上向いたことで
指数でも大きく上がって引けました。
ですが次の週の25日に入ると
早速中国本土の上海B株指数は0.035%安、
深センB株指数も1.229%安と下がって引けています。
26日には中国本土株式市場に機関投資家の買いが入り
指数でも株価でも値上がりしていました。
特に上海B株市場では値下がり銘柄はなく
全銘柄の株価が上がっています。
26日に指数でも上げたのは
人民銀行が機関投資家を使い株価を上げた可能性があります。
22日には株価指数でも上がったものの
早速次の週の25日には指数が下がったのですから
政府としてもこのままほうっておけないと感じた可能性があり
買いを入れたとも考えられます。
<次回に続く>
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