第560回
働く中国人
中国で毛沢東氏が政権を握っていたころは
生産に対して計画を立て、
貧富差が出ないように平等に分けるというのが基本でした。
トウ小平氏が政権を握ったあとは
「白いネコも黒いネコもネズミを捕るネコがいいネコだ」
と言って、
豊かになれる人間から豊かになっていけばいい
それが国民の利益になる
という考え方のもと改革開放政策を行いました。
今までは国民のために富でも平等でわけるという制度から、
働いた分利益になるというように変わったのですから
国民は今度は自分の利益になるのであればがんばって働きます。
日本人だって戦後豊かになるために一生懸命に働いてきました。
その姿が今の中国人の姿でしょう。
日本の人口が1億2700万人に対して中国は13億人の人口です。
その人数がいっせいに自分のために働き始めたのですから
発展しないわけがありません。
中国は国土が広い分ゆっくりとですが発展してきています。
インフラ関連にしても
業種によって差はありますが
整備されるにはまだまだ相当の年数がかかります。
投資ではそのような伸びていく業種の企業に
投資妙味があるわけですが。
自分が働けば家が建てられる、マンションが買える、
生活だって台所の燃料でも石炭からガスに切り替わって
近代的になっていく、
このような生活スタイルが手に入るのですから
働くにも力が入ります。
食生活だって変わってきて
いろいろなものが手に入るようになっています。
自動車だってがんばれば購入することが出来るようになりました。
このような状況のときに働くなというのは無理です。
働けば手に入るのですから誰だって働く気になっていきます。
中国人にとって未来は明るいものです。
日本人だってちょっと昔はそうでした。
少しでも豊かな生活が出来るようにがんばって働いてきました。
まずは電話が入るようになり冷蔵庫が入り、
テレビも白黒テレビ時代から始まり
カラーテレビに切り替わってきました。
トイレだって汲み取りから水洗に変わってきました。
生活でも豊かさを求めてひた走ってきた時代でした。
馬の目の前に人参をぶら下げて走っていると同じことです。
馬は人参を食べようとして一生懸命に入ります。
走った結果ご褒美としてその人参を食べることができました。
日本人は1億2700万人ですが中国人は13億人ですから
日本の10倍です。
その人が一斉に豊かさを求めて走り出したのですから
小さな波ではなくて大きな波がうねりをあげて成長していきます。
中国に行くと日本にはない活気があります。
ですがそのような活気は
かつての日本が高度成長時代経験してきた時と似ています。
一度成長し始めた経済は
発展が緩やかになるまでとまることはありません。
中国はその真っ最中に入っていて
中国人はその間豊かさを求めて働き続けるようになるでしょう。
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