第468回
為替レート改革
中国人民銀行の周小川総裁は先頃、
人民元為替政策の調整の際には、
必ず以下の3要因について考慮しなければならない―
1つ目は、安定したマクロ経済環境、
健全な市場システムおよび金融システム。
2つ目は、人民元為替レートが適正なバランスの上に
基本的安定を維持できるような、正確な改革案。
3つ目は他の地区および
世界経済に与える影響を考慮する必要がある。
―と述べています。
ですから現段階では中国の為替レート改革で
人民元為替レートがどのように動いていくのか、
適正なバランスを考慮しながら見ていく段階だといっています。
また、為替レート改革案を出したことで
暫くはアメリカからの発言で
元切り上げに関して文句は出てこないでしょうから、
この点では時間を稼げたことになります。
ですが、今日明日という話ではなくてまだ先の話ですが、
現実的に為替レート改革が行なわれることは確かです。
では現実に為替レート改革がおこなわれた時には
中国の株式市場で日本人のような海外の投資家は
為替でどのようなことが起きてくると考えられるのでしょうか。
日本円に対し中国の通貨、元が10%切り上がったときを考えます。
今まで100円で購入できた企業の株があったとします。
現在購入できる金額は100円です。
ですが10%切り上がった時には
今度は10%分切り上がった株価の10円分
余計にお金を出さないと購入できなくなります。
この10円分が中国の通貨が10%きり上がった時の元高分です。
では現時点で為替レート改革に対して中国株式市場に対して
対抗できるような投資方法はあるのでしょうか。
対抗策としては人民元が切り上げられる前に
中国株を購入しておくことです。
その時には例え元高になっても上がる前に購入していますので
10%切り上がる前に購入していれば
その分安く購入したのと同じことになります。
また売却時でも人民元が切り上げられる前に購入しておけば
為替でも切り上がった分の10%が利益になります。
また入ってくる配当金に関しても同じです。
ですが、切り上がった後に中国株を購入するときには
為替でも切り上がった分余計にお金を出さないと
購入できなくなります。
現段階ではこのような時期が近づいてきているのが
中国株式市場の投資の現状です。
短期投資でしたら考えなくともいいでしょうが、
長期投資でしたら
為替レート改革で元がどのように変動していくのか
見守っていく必要があります。
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