第451回
内陸部の発展
中国は先ごろまで世界の工場として発展してきました。
中国は最初は沿岸部が発展し所得も上がってきました。
沿岸部の発展を維持してきたのは内陸部の労働者です。
内陸部の失業者を雇用し、
安い人件費で労働力を確保してきました。
また賃金にしても内陸部の従業員は
2、3年沿岸部で働いてお金が溜まったら
田舎に帰っていくということで
賃金も上がっていませんでしたので安価で雇っていました。
海外の企業も安い労働力を求めて
中国に生産拠点を作ってきています。
ですが最近は様子が違ってきています。
沿岸部に出稼ぎに来る人の数が減ってきています。
2月7日から 2月15日まで故郷に戻って
中国の旧正月を迎えようとする出稼ぎ労働者で
Uターンラッシュが今年も起きましたが、
帰郷したあとにまた都会に出かける
出稼ぎ者が少なくなるという現象が起きています。
最大の原因は劣悪な労働環境です。
都会での苛酷な労働環境に嫌気を指して戻らないのです。
出稼ぎ労働者は会社と正式な雇用関係を結んでいない人も
約3割に及んでいます。
また、中央政府が内陸進行に力を入れてきたために
内陸でも働き口を見つけやすくなったこともあげられます。
賃金も安いために働いても
結局は手元に残るお金は
田舎で働いても変わらなくなってきているケースもあります。
これでしたら何も無理をして
出稼ぎに出てくる必要はないわけです。
今まで中国の発展は沿岸部の成長が大きかったのですが、
今度は内陸部でも発展してきています。
今後は内陸部の企業も成長し
株式市場に上場してくる企業も多く出てくることでしょう。
中国では内陸部でも大きな人口を持った都市が多くあります。
沿岸部の上海の人口は約1700万人で
北京の人口は1500万を人を突破したといわれています。
ですが、人口の多い地区では内陸部の重慶の
重慶市で3100万人以上の人口で、
日本の約四分の一の人たちが暮らしています。
国でも人口が3000万人に満たない国家は数多くあります。
そう考えると重慶市は一つの市というよりも
一つの国単位でも見れる人口比なのです。
今後は重慶市からも
上場してくる企業が続々出てくる可能性もあります。
数年前に黒龍江省のハルピンに行き、
電気・電子部品製造販売のコスライト・テクノロジー社
(光宇国際集団科技、コード: 1043 )に伺っていますが
今後はこのような内陸でも創業する企業が増えるでしょう。
今後は内陸部の発展により
内側からも成長し上場してくる企業が出てきます。
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