イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第395回
スカイワースデジタルの汚職問題から

スカイワースデジタル(コード:0751)の経営陣が逮捕されました。
容疑は2000年4月に香港株式市場に上場する際に
会計記録の改ざんを依頼し、
これが会計士に対する
贈賄、不正会計、会社資金の流用などに繋がるとして
摘発されたものです。
逮捕されたのはスカイワースデジタルの黄宏生・主席のほか
執行役員3人、財務責任者1人、元役員1人、非執行役員1人、
主席助役2人、従業員1人となっています。

・企業概要
中国の大手テレビメーカー。
デジタルAV製品の設計・製造・販売、
インターネット及びネットワーク通信製品の
生産・販売もおこなっている。

・2004年3月期本決算から
売上高 --- 92億1066万3000香港ドル 前年同期比 +15.10%
純利益 --- 3億4190万8000香港ドル 前年同期比 +60.08%
EPS --- 0.158香港ドル 前年同期比 +55.36%
配当 --- 0.055香港ドル

中国では“カラーテレビ王”と言われる
スカイワース・デジタルの黄宏生主席、
主席の弟および同社経営陣等、10名を逮捕しています。
容疑は2000年4月にスカイワースが香港市場に上場した際、
違法な手段により会計記録を偽造して上場。
また、同社の資金1億ドル近くを流用したというものです。

同社は12月30日午前中に取締役会を開き
中間業績を審議し、午後に発表の予定でしたが
準備していた時にいっせいに逮捕されています。

今回の逮捕劇で一番痛手をこうむったのは投資信託でした。
各、外資系ファンドマネージャーは
同社の業績から同社の持ち株を保有していました。
スカイワースは投信の人気銘柄で、
多くの投信の十大ポートフォリオに名を連ねている企業です。
今回のことでファンドは小型株、
ことに投機対象となっている銘柄に対する顧客
および監察部門の信頼が失われることで
同社株を売却して損金をだして行くことになりそうです。
中国株投資では幾ら優良企業に見えても
このような事件が起こることが考えられます。

ですが、日本でも有名メーカーでの三菱自動車のように
人身に関わるような事態で
リコール問題が発生しているのが現実です。
また、このような問題は中国だけではなく
アメリカでも電力企業のエンロン問題でも起きています。
(同社はその後経営破綻しています。)
株式投資で必要なのはこのような事件がおきた時に
如何に対処できるかです。
分散投資が必要なのはこの部分です。
如何にリスクを分散し、
利益を最大限にしていくかが投資では大事です。


お知らせ
小泉鉄造さんが今週火曜日(14日)の「ワールドビジネスサテライト」
特集”(仮)BRICsを買え!−2004投資家動向最前線”に出演されます。

---BRICsとは?
BRICs(ブリックス)とは、
ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)
の4カ国の頭文字からとったもので
現在台頭する新興大国の造語です。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


←前回記事へ

2004年12月13日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ