| 第394回晴れた時は雨の日を考える
 2001年の中国B株式市場への中国人投資家参入の後、株価動向では大きくは変動していません。
 香港株式市場でも極端な暴騰暴落はでていません。
 ですが大きくは変動していないとしながらも
 実際は小さいながらも
 実は大きな動きが株価指数にもでてきています。
 例えば2003年4月には
 H株指数では2000ポイント程度のものが現在5000ポイントです。
 実に2倍半程度まで上がってきています。
 これを企業で見てみます。
 業種は電力で
 原材料価格が上がったことで株価も今は安い圏内の企業で
 華能国際電力(コード:0902)の株価は7香港ドル程度でした。
 ですが、その後同社は10割無償を行なった後に
 現在の株価は6香港ドル近辺です。
 無償株を発行していないときでの株価では倍の14香港ドルですので
 株価上昇率では2倍になっています。
 では原油価格高騰で恩恵を受けた
 ペトロチャイナ(コード:0857)の場合はどうでしょうか。
 2003年4月には株価でも1.6香港ドル程度だったものが
 現在4.3香港ドル前後ですので2.6倍程度になっています。
 華能国際電力の最近の上昇分:2倍(無償株分を入れた数字)ペトロチャイナの最近の上昇分:2.6倍
 では、2000年以降の株価で見てみます。華能国際電力の安値近辺の株価 2000年2月:1.26香港ドル
 ペトロチャイナの安値近辺の株価 2000年4月:1.10香港ドル
 華能国際電力の最近の株価:14香港ドル(11.1倍)ペトロチャイナの最近の株価:4.3香港ドル(3.9倍)
 ここでは1年間での投資を考えるより2000年からの3、4年で投資を考えた投資効率としての数字です。
 ここに中国株投資での長期でのメリットが隠されています。
 短期で投資したときには
 それなりの利益になる可能性が大きいでしょう。
 ですが、大きな利益を狙うのであれば
 短期ではなく、中期、長期での投資が
 一番必要な投資方法になってきます。
 天気でいえば晴れている時には、今度いつ雨が降りそうな時期なのかを考えることと同じで、
 雨が降っているときは雨がいつあがっていくのかを予想するのは
 1年程度で投資判断していくことと同じです。
 ですが、いつまででも晴れている時期はありませんし、
 逆に一生雨が降り続けていくこともありません。
 また台風が来るのか、
 地震がきて大震災になるのかを見極めていくのが
 中期、長期の視点から判断していく投資方法です。
 株式市場では今後も株価指数が大きく上がっていく場面が何回も出てきます。
 ですから市場に人気がでて株価でも上がってしまった時から
 市場に参加することは非常に不利な投資の仕方です。
 できれば人気が閑散として
 株価でも指数でも下がったときにこそ購入していく時期で、
 指数でも上がった時には
 逆に売却を考えるくらいで投資していくことで
 リスクが減っていきますし、利益が出しやすい投資ができます。
 また、長期で投資企業への判断さえ間違わなければ大きく利益を投資家に還元してくれます。
 ですから、1年程度の投資期間と長期での投資では
 利益に対しての金額はもとからかけ離れた存在です。
 同じ土俵の上で相撲を取っているわけではありません。
 その住み分けを考えながらも分散投資をしていくことが必要です。
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