第361回
原油価格と景気
石油関連の業種に関しては
短期で投資判断をするのは難しいでしょう。
原油価格にしても数ヵ月後まで
価格がわかったとしても石油関連企業の株価は
その時点までの株価を織り込んでいることが多いものです。
ですから数ヵ月後、
1年後にどの価格になっているのかを検討するのも
投資では見ていく必要がありますが、
他の方法でも見ておく必要があります。
原油価格と景気の関係です。
世界経済が伸びていくには石油が必要です。
まして今後中国が発展していく為には石油を必要としています。
ですから原油価格が今後下がったとしても
そう大きくは下がっていかないことが予想できます。
原油価格にしても投資では身近な価格を当てるのではなく、
将来どちらのほうに向かっていくのか、
3年、5年、10年後はどうなっていく可能性が大きいのかを
大きな「サイクルの流れ」から考えておく必要があります。
サイクルの流れ、といってもたいそうな事ではありません。
中国は石油を現在自国の消費に対して40%を輸入しています。
それが2015年から2020年には60%程度に達します。
その間に世界でも原油価格高騰または下落し、
その度に新聞や報道で発表されていくでしょう。
では原油価格が上がったから、
下がったからといって
中国の経済成長が大きく変動することがあるでしょうか。
勿論その影響は受けます。
受けますが、それで成長が止まってしまうことなど考えられません。
企業の業績にも関係してきます。
ですが中国では石油は成長していくための車でいえば
タイヤのようなものでなければ前に進むことができない存在です。
このような業種に関しては
短期で投資を見ていく必要はありません。
何年に1回か、または10年間の間に
何回か業績が落ち込むような出来事が起きて、
株価が下がったときに購入を検討していけばいい業種です。
中国の石油関連企業では業績が一時落ち込んだにしろ、
長期では売上げと収益が上がっていく業種でしょう。
ですから株価でも安くなったときに
早めに仕込んでおいて
後はほうっておくくらいの気持ちで
投資したほうがいいでしょう。
同社は配当でも利回りで購入を検討できる企業です。
2004年の中間配当でも1株あたり0.0115919元を出しています。
現在の株価は4香港ドル前後ですから
利回りでは3%には届いてはいません。
ですが、8月の時点では3.8香港ドル近辺でしたので
配当利回りでも3%程度となります。
また今年、2004年の期末で
もし同じ金額の配当を出したとしたなら
今の時点でも6%近くの利回りになります。
中国の石油事情と業績の伸びを見ていったときには
大きな伸びを期待するというよりは
長期での伸びが期待できる企業です。
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