イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第360回
原油価格の値段

中国石油天然気(ペトロチャイナ、コード:0857)は
9月1日より西気東輸(西のガスを東に送る)で
新疆ウイグル自治区側からの天然ガス輸送を開始しています。
「西気東輸」プロジェクトは
2002年7月から着工されてきましたが、
今回最終地点の上海までパイプラインがつながり、
10月1日から供給が開始になりました。
2005年から東西ガスパイプラインは正式に稼働をする予定です。
上海では現在三十万戸のガスユーザーが存在しますが、
年内には百十万戸が加入することになりそうです。

また、運営しているガソリンスタンドの数でも
9月末の時点では1万7159カ所となっています。
この数字は前年同期比で18.5%増と伸びています。
中国では所得向上により一般市民が車を持つようになりますし、
天然ガスは生活に欠かせなくなっていきます。
同社は長期的には伸びていく業種の中に入ります。

ですが心配なのが原油価格の値動きです。
アメリカでは原油先物相場が
50ドル台を大きく越えて上昇しています。
恩恵を受けた同社も
今後数ヶ月間は業績が大きく伸びていくでしょう。
ですが原油先物相場高騰により
景気では減速感が出てくるのではないかという心配がでています。
原油価格が上がっていくということは
ガソリン価格も上がっていくということです。
家計でも大きな負担になってきたときには
消費でもなるべく物を買わないように工夫するでしょうから
消費が落ち込んでいく原因になります。

企業でも原油価格上昇により
コストが上昇していけば当然経費節減、
人員リストラ等を行ってきたなら
なおさら消費が落ち込んでいくことになります。
ここで原油価格の高騰が止まり価格が下がってきたときには、
石油関連企業は業績でも売上高に対して
収益が減っていくようになることも考えられます。
原油価格は産出している国や、
戦争などの政情不安で供給需給悪化などでも変動します。
また、ヘッジファンドの投資資金流入などの
思惑買いが入っても原油価格が動きますので
先々の値段を予想するには難しいことです。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年10月25日(月)

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