第315回
PERで判ること
現在一株利益が10円でPERが10倍という
Q社という企業があったとします。
市場の平均PERの15倍よりは5倍安いですから
PERで見たときにはZ社の株価には5倍の割安感があります。
この場合Q社の収益が将来ずうっと10円だったとします。
50倍のPERでも
Z社の収益の伸び率は2倍に上がってきていましたので
3年後のPERでは12.5倍になります。
PERを見たらまだ10倍のQ社の方に割安感があります。
ですが4年目になると変わってきます。
A社のPERが6.25倍に対し、Z社のPERが10倍になります。
ここでA社とZ社のPERでは逆転します。
現在のPERが高かったとしても、
将来利益が上がって行く企業はPERでも下がっていきます。
ですから現在のPERが高いからといって
株価に割高感があるとは限りません。
投資家が3年4年後の収益向上を見込んで
PERでも高く、株価でも高い水準で取引しているのでしたら
それは妥当な水準のPERである、ともいえます。
株価が決まる要因として
株式市場が盛り上がって株価は上昇していきますと、
PERでは上がって行くことになります。
10円の利益でPERが10倍ですと 株価は100円です。
この株価が200円になったときはPERが20倍となります。
PERが20倍と見ますとPERの数字が上がった分
株価では安くなったように感じますが、
10円の利益を稼ぐのに前は10年でしたが、
それが20年間になるわけですから
10円稼ぐには倍の年数が必要です。
ですから上がってしまいます。
反対に10円の利益に対して
株価が50円の場合は5年分の利益ですから
PERでは5倍となり、PERでは下がっていくことになります。
PERは需給関係でも動いていきます。
また同じ業種で、他の企業と見比べてみるのも大切です。
他の企業と大きくPERの差があった時には
何故なのかを考えてみることです。
PERの差には評価されているそれなりの原因があるからです。
このようにPERでは現在の株価に対しての評価、
将来の値上がりが入っている株価であるかどうかの評価、
また市場で現在高い水準であるかどうか、
同業企業での評価、などが検討できます。
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