第314回
H株の平均株価指数
株式投資では
「一株利益に対してPERで見ると株価が割高とか、割安・・・云々」
という言葉で出てくることがあります。
ではこのPERというものは
はたしてどのような基準で取り扱われているのでしょうか。
*PER(株価収益率)とは
PER=株価(企業)÷EPS(一株当たりの純利益)
で計算します。
*EPSとは
最終的な税引き後利益が、
株式1株あたりいくらかを出した金額です。
現在H株の平均株価指数は14倍から15倍の間となっています。
例えば投資している株式市場の株価のPERが
平均で15倍だった時を考えて見ます。
A社の年間利益が10円だったときにPERが10倍だとしますと、
株価でも利益に対して10倍の株価の100円となります。
A社のPERは市場平均の15倍よりも安くなっていますので
将来A社の株価が平均PERまで上がって行くとしたら
PERでは年間利益に対して5倍上がっていって釣り合いが取れます。
この場合のA社の株価は150円となります。
現在100円の株価が150円にまで上がっていって
はじめて釣り合いが取れるのです。
株式市場の平均PERになるには
A社の株価が50円上がれる余裕があります。
もしZ社のPERが50倍なら株価は500円になります。
この50倍という数字はZ社の利益で見ますと50年分になりますので
平均PERで見たときには高い数字になります。
株式市場の平均PERよりは35倍も高い数字となります。
PERだけを見たときには株価に割高感がありますので
投資家にとっては現在だけを見たときには
購入できる企業としてみることはできません。
ですが、Z社が次の年(2年目)に倍の利益を出して
20円の利益を出したときに、
20円で500円の株価でしたらPERでは半分の25倍になります。
また、3年目に倍の利益を出したときには40円となります。
利益の40円を株価の500円で見たときには
12.5年分になりますのでPERでは12.5倍となります。
現在のPERが50倍でも3年目のPERでは12.5倍となります。
この数字は現在では高いPERですが、
3年後の平均PERの15倍よりは2.5倍分安くなった数字となります。
3年目のPERが12.5倍になるのなら
現在のPERが50倍だったとしても
将来性を考えた数字でのPERを見たときには
高いとはいえなくなります。
このZ社が4年目に倍の利益を出したときには80円となります。
PERで見たときには80円に対して500円ですから
6.25倍まで下がっていきます。
株式市場の投資家が現在のPERで見ているのではなくて、
3年後、4年後のPERの株価を見て購入しているのであれば
現在の50倍というPERは高くないことになります。
<次回に続く>
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