第316回
ゲイツ基金
アメリカのマイクロソフトのビル・ゲイツ氏が設立した
「ビル&メリンダ・ゲイツ基金」が
香港市場へ参入し始めて話題になっています。
この背景にはなにがあるのでしょうか。
世界的大富豪ビル・ゲイツ傘下の慈善基金は、
UBS証券のポートフォリオの中から
投資できる企業の株を物色して購入を検討しているようです。
*UBSとは
UBSインベストメント・バンクは、
1998年にスイス・ユニオン銀行とスイス銀行コーポレイションとの
合併により、新生UBS AGの投資銀行部門として営業を開始し、
統合により世界でトップクラスの金融サービスを提供しています。
欧州では、世界有数の投資銀行となっています。
UBSインベストメント・バンクの主力商品は、
企業金融、株式又は債券の発行・引受、リサーチ、
トレーディング、リスク管理、金融商品の開発、デリバティブ等で、
UBS証券は傘下の証券会社です。
同基金ではこれらの銘柄購入で、
香港市場進出への足がかりとするのが目的と考えられます。
慈善基金“ビル&メリンダ・ゲイツ・ファンデーション”
(ゲイツ基金)は総額270億米ドル(2106香港ドル)
日本円で約3兆円を持っています。
同基金は今まで4銘柄を購入しています。
企業では、
オーシャン・グランド・ケミカル、
ベイレン・プリンティングマシナリー、
チャイナ・レアアース、
アンドレ・ジュース、
の4銘柄と言われていて化工、印刷、原材料および食品と、
さまざまな業界にまたがっています。
ゲイツ基金は
現在は香港株に多く投資していくことになりそうです。
ですが、ゲイツ基金は
QFII(有資格国外機関投資家)資格を取得していますので、
長期的には中国本土での投資を行っていくことになるでしょう。
このように一部の基金では
中国本土での投資を見据えて動き始めています。
米国の退職年金基金、海外ファンドでも
投資できるタイミングを見計らっています。
今すぐというのではなく、
数年後先のことを見て投資を考えているのです。
このような資金が
中国本土での投資を狙っていることを考えて見ますと
今後開放になったときには
多くの資金が流入してくる市場であることが
ハッキリと見えてきます。
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