第293回
2倍の利益
購入した企業が4年間で10倍になるとします。
購入した時点から株価が一度も下がらず
毎日少しずつ4年間上がっていったとしたら、
下がらない限り売却しなければ大きな利益になります。
ですが実際の株価変動は普通に起こりますので
株価が変動しながら上がっていくということは絶対とはいえません。
ですので10倍になることが分かるのは
4年後になって結果を見て初めてということになります。
業績が良くても悪くてもいろいろな要素で変動します。
投資家心理としては毎日株価が変動するに従い、
投資した持ち株に対して疑心暗鬼になっています。
このまま持っていてもいいのだろうか、
それとも利益の出ている今のうちに売却して
利益を確保した方がいいのだろうかと迷います。
投資した企業の株価が半年後に2倍になったとします。
本来は4年間投資するつもりであったとしても
現実に株価が2倍になっていたときには十分利益が出ています。
ここで売却すれば利益が100%でますので投資金額の倍で売れます。
このときにどうしても損をしたくない、という気持ちが強い場合
すぐにでも売却して利益を出したくなります。
売却しないでいたときに明日、または1ヵ月後に
株価が半値になってしまったとしたら
投資した金額の元の元本に戻ってしまいます。
そうなったら利益は手に入りません。
投資結果でも元の木阿弥で「行って来い」となり、
利益分は数字上の計算だけになりますから
実際に手にできなかったら「夢の話」で終わってしまいます。
また2倍になった後株価が半分まで戻ってしまっただけではなく、
もっとそこから値下がりしていく場合もあります。
そうなると投資資金より少なくなりますから
投資資金回収どころか赤字になってしまいます。
そう考えると手持ちの株を売却して
利益を出すことが一番に見えてきます。
後先を考えるより今の時点での利益が最優先になります。
この時点では4年間投資したい気持ちが勝つよりも
現在の利益が最優先ですから
ここまでの投資結果が大事になります。
このような気持ちになった時に売却すれば
確かに利益は確保できます。
ですが将来性のある企業に対して
安く購入できた投資の場合には
買値まで戻る可能性のほうが少なくなります。
優良企業の場合は企業自体が発展していっていますので
業績が下がるというよりは上がっていきますので
株価も必然的に上がっていきます。
例えば香港H株企業の電力企業で
華能国際電力(コード:0902)の場合を見てみます。
<次回に続く>
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