第292回
中国株と投資
中国株に投資するということはどういうことでしょうか。
実際中国株を購入し、投資した当初は
投資した銘柄に対してすぐに答えを求めたくなります。
購入した時が一番の安値で、
その後は株価が下がることなく上がって行く、
数年たったときには
購入したときの株価に対して10倍程度になっている。
このようなことになっていたらどんなにいいだろうかと思います。
ですが普通はこのようにはなりません。
例えこのような状況で投資をしたとしても
結果はこのようになることはまず少ないでしょう。
なぜかといいますと
数年後に10倍になったことがあったとしても
果たしてそこまでその銘柄を
持っていることができたかどうか判らないからです。
例えば4年後に自分が購入した株が10倍になったとします。
ですが問題はその間の4年間の投資家の精神状態です。
株価が10倍になるということは10倍になるまでの過程があります。
また株価でも素直に上がっていくとは限りません。
普通の株価推移では上がったり下がったりと変動します。
考えてもわかりますが
株価が上がっていくとしても
投資した企業の株価が毎日平均して1円ずつ上がっていき、
それが積もり積もって4年たったときに10倍になっていた、
などということはないとはいえませんが
普通は考えられません。
投資した企業の成長率が毎年平均して業績を上げていき、
10倍になれる企業だとしても普通はそうはなりません。
株式市場では
上場している企業の業績だけに対し
評価しているわけではありません。
株価が変動する要素としては
企業の業績以外のことが大きくかかわってきます。
企業業績とは関係ないことでも株価は変動します。
株価が動くのは
株式市場にいろいろな要素が入ってくるからで、
投資した企業の業種に対して同業種の企業と見比べ、
勝っているかどうかでも株価が変動します。
例えば電力企業でしたら
投資した企業に対してほかの電力企業の実力によっても
見比べて株価が動きます。
また、電力企業によっては
省の親会社に全部電力を売却する企業もあります。
省との関係が深い電力企業は
その地域においては有利な立場にあります。
また、省とは関係なく
いろいろな省にまたがって
電力発電所を作っていく電力会社もあります。
中国は電力に関しては各省全部が足りていません。
その中でも発展著しい沿岸部分では
非常に深刻になってきています。
沿岸部と内陸部では事情も程度も違っています。
また、今後の大きなイベント関連電力企業も存在します。
中国では2008年に北京オリンピックが開催されますが、
北京に強い電力企業は
知名度的には今後多くの投資家が見ていくことになります。
そうすると人気の点では
ほかの電力企業よりは高くなっていきますから
人気が出た分株価は高くなっていきます。
また実際北京オリンピックで特需が生まれ
電力消費量でも上がっていくことが考えられますし、
実際上がっていくでしょう。
このように株価を決める要素は
ひとつだけではありません。
株価が変動していくのは
企業の成長率とともに同業他社からの影響も大きく左右します。
このことは電力業種だけに関係あることではありません。
あらゆる業種に関係があります。
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