第260回
給電制限と石炭
今年に入り、1〜4月の間に
給電制限が実施された省・自治区・直轄市は、
いままでに24を数えています。
全国の電力消費量でみると
前年同期比15.5%増の6493万キロワット時にも上りました。
年内に稼動する予定の発電能力は3700万キロワットです。
ですが発電では
このうちの3分の2の運転開始は下半期となっています。
このために4〜6月の電力不足は2000万キロワット以上、
7〜9月期は3000万キロワット前後、
10〜12月期は1000万キロワット以上と予想されます。
特に今夏の中国での電力不足は非常に深刻化しそうです。
また電力での主要エネルギー資源の一つが石炭です。
その石炭の備蓄量が足りなくなりそうです。
中国国内の多数の発電所が保有している石炭は、
発電燃料の7日分しか残っていない、
また一部の発電所では発電停止に追い込まれているとのことです。
中国の石炭備蓄量の警戒ラインは1億トンですが
備蓄量は減少を続け、4月末には1億トンを割り込みました。
2020年の電力消費量は
2003年の2倍以上に増加する見通しがあります。
中国では2020年までに原子力発電が30基できますが
今はまだ期待できません。
中国は電力が需要に対して供給が間に合わないことのほかに、
その電力を動かす
主要エネルギー資源の石炭も間に合っていません。
電力が伸びているということは
中国自体が大きく発展していっている事でもあります。
その伸び率には空恐ろしい気もします。
中国はロシアから電力供給を受け
シベリアの水力発電所から
黒龍江省へ輸入することも決まりました。
また香港上場の大唐国際発電(コード:0991)は
今後8年間で発電能力を2倍に拡大する計画を発表しています。
ですがこれだけでは間に合わないのが今の中国の実情です。
投資で電力企業が長期での投資の対称になるのは
長期で発展していくからです。
ですからなにかの原因で市場の株価が大きく下がったときは
購入するチャンスとなります。
現在でしたら中国のインフレ懸念で
銀行金利引き上げ懸念が出ています。
もし銀行金利が引き上げられた時には
市場の株価が一時下がる可能性があります。
このような時には購入するチャンスです。
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