イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第259回
市場での材料

株価が上がっていくのか下がっていくのかは
市場での材料を見ていくと、予想することはできます。
これを現在の
アメリカの株式市場で起きていることから見てみます。

アメリカでは今後景気でのインフレ懸念から
銀行金利が引きあがる観測が出ています。
ですから今後はアメリカでは
株価が下がる可能性が大きくなっています。
このことから
アメリカで運用している機関投資家に変化が出てきています。

アメリカで著明な投資家にウォーレン・バフェット氏がいますが、
今後の株価の予想に対して
今後株価は下がっていく可能性がある、と発言しました。

また一部のヘッジファンドでは
今後の値下がり予想に関して
今年は運用成績での期待ができないために
昨年の利益を投資家に配当し、
利益を出せないであろう可能性が高いので今年は再投資をしない、
というファンドまで現れました。

今後はアメリカ株式市場で見ると
下がる可能性があるために投資しない、ということですから、
台風で見たら台風が接近してきているので
暴風雨になる、ということを予想したことと同じです。
台風が近づいたときには
それなりの準備をしておくことが大切です。
そのような対応策として
アメリカのこのファンドでは株主に返金し、
今の事態を乗り切ろうとしています。

では今の中国株式市場の投資ではどのような状況でしょうか。

今は中国でもインフレ懸念から
銀行金利を引き上げる可能性がありますから
下がる可能性があります。
ですが、今は中国中央銀行では
今は様子見ですぐにあげることは考えていない、と
発表されたことで
株価は下げが一服して買い安心感が出、
株価は堅調に推移しています。

ですが先々インフレ懸念が出てきたときには
金利引き上げを行う可能性がありますから
でた場合は株価は下がっていきます。
このような綱引きの状態にあるのが中国株式市場の立場です。
中国政府として、
中国国家発展改革委員会の張国宝・副主任は
今年の中国経済は下半期になっても
大幅にダウンする可能性が極めて低く、
年間の経済成長率が9%台になる可能性が大きいと発言しました。

基本的には中国政府の目標は7%です。
ですから現段階では2%も高い水準となります。
ですが中国政府の真意としては9%でも構わないが、
インフレだけは避けたい、 と思っています。

ですから7%であろうと9%であろうと
インフレ懸念が出てきたときには
中国政府は銀行金利を引き上げるでしょう。
そのような立場にあります。
成長していく市場では
株価が下がったら安く購入できるチャンスがきた、と
考えることができます。
また、今まで高値で購入していた投資家の方は
株価が下がらなかったらその分利益が減らないのですから
ラッキーだと考えれば気持ちの上でも落ち着きます。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年6月4日(金)

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